関西から飛び立ち、再赴任を果たし帰国した協力隊を紹介します!-Part2-【滋賀県】

スタッフより一言:
籾山弥生さんは、「女性の社会進出のお手伝いをしたい。」という想いからJICA海外協力隊に参加し、2019年7月にウズベキスタンに美容師隊員として派遣されましたが、新型コロナ感染症拡大により2020年3月に一時帰国されました。待機期間中は、教材を作成したり、ウズベク語のオンラインレッスンを受けたりしながら再赴任に備えていました。2021年4月にウズベキスタンに再赴任され、7月末に任期を終えられ帰国されました。

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籾山弥生さん(右から2人目)と同僚(籾山さん左隣)

氏名:籾山弥生(もみやま やよい)
出身地:滋賀県
隊次:2019年1次隊
職種:美容師
JICA海外協力隊参加のきっかけ:
2017年に「未来をつなぐ夢はさみ」というカンボジアでの自立を必要とする青少年を対象とした美容職業訓練に参加したことがきっかけ。手に職をつけ女性のさらなる社会進出、自立の支援ができればと思い参加しました。

行ってわかったそれぞれの幸せの価値観

さて、学校の生徒と触れ合う中で、自身が感じたことを少しご紹介したいと思います。ウズベキスタンの家庭では男性の意見がとても尊重され女性は自分で学校や仕事を選ぶことができないことがよくあります。ですので、とくに女子生徒の場合、学校に通う許可はもらえても卒業後にサロンで働けない生徒が何人かいました。ウズベキスタンでは家族との絆は非常に強く最優先されるのは仕事やお金ではなく家族です。やりたいことができない不満より家族を悲しませたくないという考えの女子生徒たちの話を聞いていると、サロンで働くことを勧めることはできませんでした。私は特に女性の社会進出のお手伝いができればと思い参加した協力隊ですが、人それぞれ幸せの価値観は違い、求めるものも違います。それでも、美容師の仕事を体験してもらい、「こういう世界があるんだ。」ということを知るきっかけになればいいですし、綺麗になりたい、可愛くなりたい、おしゃれすることが大好きという気持ちは世界中の女性が共通して持っている気持ちだと思いますので、楽しく達成感の感じられる授業ができるように心掛けていました。しかしウズベキスタンの生徒たちは興味の有無がはっきりとしている人が多く、毎回興味の湧く授業をすることに教員経験のない私はとても苦労しました。
「こんな授業おもしろくない。」や初対面の生徒に「あなたの技術は信じられないから私の髪はやらないで。」と言われたこともあり、楽しいことだけでなく落ち込むこともありました。しかし同僚は私に授業を任せてくれたり、「あなたに切ってほしい。日本のスタイルを教えてほしい。」など興味を持ってくれる生徒もいてくれました。同僚はもちろん他コースの先生、生徒たちなどたくさんの人達のおかげでまた戻れることを信じて一年間待機する選択をしたことは間違いではなかったと思える3ヶ月間でした。
まだまだウズベキスタンでも新型コロナウイルスの感染状況は落ち着いておらず気の抜けない状況が続いていますが、1日でも早くまたお世話になった方たちに会いにいきたいです。学校を卒業しサロンで働いている生徒に髪を切ってもらいに行くことが楽しみです。

予定していた半分の1年間しか活動はできませんでしたが振り返ると楽しい思い出ばかりです。生活や活動でのアクシデントやトラブルさえも今になってみれば笑い話です。計画や予定通りに進まないのが当たり前です。郷に入っては郷に従えという言葉通りその国の人たちと同じ時間の流れを共有することがとても大切です。一人だけ焦ってイライラしても誰も理解してくれません。そもそも任地の人は日本のこともよく知らないし、日本人の国民性なんて誰も知らないのですから。イライラするのもこっちの都合であって任地の人には関係ないことです。「困ったね~。どうする~?」とのんびり同僚や生徒と話すのもいいコミュニケーションになります。2年間のうちに何か結果を残さなければ!と力が入ってしまうかもしれませんが楽しく働く姿を生徒に見せるだけでも仕事やその職業への興味が湧いてくるかもしれません。
ウズベキスタンでの経験を無駄にせず今後の生活に活かしていきたいです。

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日本式のシャンプーをやっているところ。気持ちいいと好評でした。

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カラーの授業。日本でもウズベキスタンでもデザインカラーは需要が多いです。

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実習の様子。

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