氏名:美淋 光哉
出身地:奈良県
隊次:2022年度1次隊
職種:小学校教育
派遣国:カメルーン共和国
学生時代に所属していた国際協力を実践する学生団体でラオスに渡航し、現地の子どもたちや教員と出会ったことが、現地で共に考え共に良い環境を作る草の根レベルの協力活動を志すきっかけになりました。
初めまして。2022年7月よりアフリカはサブサハラ地域(サハラ砂漠以南のアフリカ地域)のカメルーン共和国で小学校教育分野にて活動しています美淋 光哉(みりん ひろや)と申します。2023年8月に続く2回目の登場ですが、今回も、自分自身の活動やJICA海外協力隊、カメルーンという国についてお伝えするにあたって、私自身カメルーンをさらに深く知り、加えて協力隊の意義・目的についてより深く認識する機会にしたいと強く感じています。
先に触れたとおり学生団体の有志でラオスの支援先へ訪問したことが私にとって協力隊への参加を考える大きな転機でした。当初は初めての海外渡航ということもあり期待に胸を膨らませていましたが、その村の子どもたちや教員を取り巻く状況にただただ驚くばかりでした。私たちは日本で資金調達を行い教育物資の支援をしていましたが、教育物資の支援だけでは解決できない実態を目の当たりにしラオスでの滞在の5日間はひたすらに無力さに打ちひしがれていました。
しかしそこで私は村長や教員、子どもたちとの対話を重ねる中で、活動していることへの自信や意義が感じられました。併せて、より深く現地の人たちと関係性を築き、共に課題を考え見つけ、より良い環境を創ることで貢献したいという気持ちが湧き上がりました。
その後大学3年次を休学し、2019年度3次隊として参加予定でしたが、新型コロナウイルス感染症の影響により派遣が延期となり、2022年7月からカメルーンにて活動しています。
今回はカメルーンの食べ物、特に主食について触れたいと思います。カメルーンではパンやパスタ、米類もよく食べられています。現地の友人と一緒に作って食べたり、活動の合間に屋台で食べたり、活動後に同僚や上司とレストランで食べたりする中で、驚いたのがその「主食」のバリエーションの豊富さです。その中で代表的な5つの主食をご紹介します。
クスクスマニョック
1.フフ(クスクスマニョック): Fufu (Couscous de manioc)
2.クスクスマイース: Couscous de maïs
「クスクス」というと小麦粉原料の世界最小のパスタを想像する方も
多いと思われますが、カメルーンのクスクスは原料が異なっています。
「クスクスマニョック」は、主にキャッサバを製粉して湯で練ったもので、
カメルーン以外でも中・西部アフリカ地域で伝統的な主食として広く食されています。
見た目や食感は餅に似ています。手でちぎり、スパイスや
塩コショウで味付けしたトマトやオクラ、ピーナッツのペースト状の
ソースをつけて食べます。
クスクスマイースをお湯で練り上げている様子
「クスクスマイース」はトウモロコシ(maïs)を製粉し、クスクスマニョックと同様にお湯で練って調理されるクスクスですが、黄色いのが特徴的です。こちらもサブサハラ地域のアフリカで広く食されており、ウガリやンシマ等の呼称があります。どちらのクスクスも練るお湯は完全に目分量なので、各家庭やお店の色が出るところが面白いです。
オクラソースとクスクスマイース
3.プランタン(プランテン、プランテイン) : Plantain
この主食は、簡単に言うと調理用バナナです。日本で食べられているバナナとは全く異なり、生食だと、固く、味も薄く、甘くなく、むしろ芋類に近いような印象です。蒸す・焼く・茹でる・揚げるという加熱を経て甘味が現れます。上記のクスクスと同様、擦り潰してお湯を混ぜて練り上げて丸めて作ることもあります。素朴なスイートポテトのようで、個人的には好みです。また、薄切りにしたバナナチップスのような軽食もよく見かけます。
販売されているプランタン(調理用バナナ)
薄揚げプランタン
蒸したてのプランタン
揚げプランタンと焼き魚
バナナの葉で包み茹でられたバトン・マニョック
4.バトン・マニョック : Bâton de manioc
固いお餅のような食感で、独特な匂いとほんのり酸味のある癖
のある食べ物です。キャッサバを製粉し、丸めて発酵させ、擦り潰して
バナナの葉に包んで棒状に縛って、煮て出来上がります。
見た目は「ちまき」のようですが、全くの別物です。
同じカメルーンの協力隊員の中にはこれにハマり、
焼き魚(Poisson blaisé)にはこれしかないと言う人もいますが、
好みは分かれます。
5.ベニエ: Beignet / ベニエ・アリコ: Beignets et Haricots
ベニエとはフランス語で「揚げた生地」を意味します。カメルーンの食卓では、豆(アリコ:haricot)の塩ゆでが欠かせません。それに合わせて食べられているのがベニエという小麦粉を丸めて揚げたものです。豆の塩ゆでと揚げたてベニエがよくマッチし、朝食として大人気です。ドーナツやサーターアンダギーのように砂糖を加えたものやバナナと混ぜてもっちりとさせたものなど、スイーツのような定番のおやつもあります。
ベニエ・アリコ
ベニエを揚げている様子
いかがでしたでしょうか。何か食べてみたいものはありましたか?パンやお米、パスタ類も食べられていますが、カメルーンではそれ以外にも個性的で魅力的な主食に溢れています。
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