秋晴れの海辺に和太鼓の音が響き渡った「JICA関西 和太鼓コンサート」!

2020年11月30日

合同演奏の一幕

前日までの雨もあがり、秋晴れに恵まれた11/3(火・祝)文化の日。
JICA関西からすぐの屋外ステージで「JICA関西和太鼓コンサート」を開催し、高校生による迫力ある和太鼓演奏とJICA留学生(長期研修員)とのコラボ演奏を地域の皆さまの前で披露いたしました。

演奏者からの感想

一糸乱れぬ演奏

出演者の皆さんの感想をご紹介します。
♪大阪府立芥川高校 和太鼓部♪
●大西ゆかりさん(2年。部長)
私は英語を話すのが苦手で、今回のJICA関西の演奏会で研修員の方とコミュニケーションを取れるかとても心配でした。ですが、研修員の方はとてもフレンドリーで、私のただ英単語を並べただけのような言葉でも意志疎通ができて、すごく嬉しかったです。コラボ演奏の練習は短時間でしたが、研修員の方々は真剣に太鼓と向き合ってくださって、濃い練習になりました。本番ではとても楽しそうに太鼓を打ってくださって、私も楽しく演奏することができました。海外の方との交流はたくさんの経験を得ることができ、とても有意義な時間でした。ありがとうございました。

様々な曲を披露

●吉永朱莉さん(2年)
今年3月に私たちはチェコで公演するはずだったのですが、突然の新型コロナでキャンセルになり、演奏会で外国の方々と交流する機会がなくなってしまい、海外の方が和太鼓にどれくらい興味があるのか分かりませんでした。ですが、今回のJICA関西の演奏会で、私は研修員の方々が自らコラボ演奏を希望して参加・体験して下さり、全員で一つの曲を作ることが出来た事から、外国の方でも和太鼓に興味を持っている事を知り、また、自分たちがやっている和太鼓は国境を超えて人々と一つにつながれる大切な存在だと言うことに気づかされました。この二つの気づきから今回のJICA関西の演奏会は私にとって、とても意味のある経験だったと思います。

衣装もいろいろ

●畑井愛華さん(2年。副部長)
今回JICA関西和太鼓コンサートで、JICA研修員3名の方と交流を行いました。初めは英語で会話ができるのか、私が教えたいことが伝わるのかという心配があり、緊張していました。しかし、完璧な英文ではなく、英単語だけでも伝わり、楽しくコラボ練習や交流を行うことができました。英語能力よりまず、交流しようと思う姿勢が大事だなと思いました。また、一緒に演奏をしていると、何か国境を超えた繋がりを感じ、友だちができたみたいで、とても嬉しい気持ちになりました。今までにない経験をすることができ、とても楽しかったし、貴重な経験にもなりました。ありがとうございました。

長胴太鼓を演奏するマックさん

♪JICA留学生♪
●マックさん(ベトナム) Mr. MAC Thanh Tung
 まず第一に、この素晴らしいイベントに招待いただけたことに感謝しています。参加した皆さん、特に高校生の皆さんと忘れられないひと時を過ごせたと思います。コンサートの日のような素晴らしい演奏を生で楽しむ機会はこれまで一度もありませんでした。更に、その素晴らしいチームの中に入り和太鼓を演奏する機会もいただけました。正直に言うと、周りにいる高校生の皆さんのレベルが信じられないほど高かったので少し緊張しました。でも、高校生の皆さんがフレンドリーで熱心だったので、その気持ちはすぐに消えました。彼らの母語(日本語)で十分話せなかったことは少し残念でしたが、それでも彼らが感動的な旋律を奏でる時、演奏者一人一人の鼓動を感じることができました。私たちが彼らの演奏に夢中になれる機会がいつでも持てるよう、高校生の皆さんには和太鼓演奏にかける情熱を持ち続けてほしいと心から願っています。ありがとうございました!
(原文)First and for most, thank you for your invitation to join this wonderful event. I believe that I have got such an unforgettable moment there with everybody, especially the high school students. I have never had a chance to enjoy the amazing performances lively like on that day. Furthermore, I have also been given an opportunity to play the drums, in an outstanding team. Honestly, I was a bit nervous since the skills of my surrounding high school students were unbelievable. However, that feeling was swiftly gone because of the friendly and enthusiastic of those students. Although It was a bit pity due to the fact that I could not talk to them much more in their mother tongue language, I still can feel the heart beat in each drummer when they play the all the emotional melodies. From the bottom of my heart, I hope that the high school students will keep their passion in playing drum up so that we always can have chance to be fascinated by their compositions. Thanks!
(「イノベーティブ・アジア」プログラム参加。京都工芸繊維大学 工芸科学研究科(博士課程) 在籍)

ズィエッドさん(左)と妻マルアさん(右)

●ズィエッドさん(チュニジア) Mr. MILI Mohamed Zied
 とても素晴らしい経験でした。私たち(妻のマルアさんと一緒に参加)は和太鼓演奏を楽しみ、特に高校生の皆さんの演奏を楽しみました。皆さんはとても根気よく親切してくれました。また、私たちはチュニジア文化(ダンスと伝統的な帽子)を少しだけですが日本の皆さんに見せることができました。日本の皆さんがそれを気に入ってくれ、コンサート後に私たちのところに話しに来てくれたこともとても嬉しかったです。このようなイベントを企画してくださり、ありがとうございました。
(原文)It was a great experience. We enjoyed playing Taiko and especially the students' performance. Students were so patient and kind to us. We also showed a small part of our Tunisian culture (dance and traditional hat) to Japanese people. We were so pleased that they liked it and came to talk to us after the end of the show. Thank you for organizing this event.
(「アフリカの若者のための産業人材育成イニシアティブ」プログラム参加。京都大学 工学研究科(修士課程) 在籍)

コンサート本番の様子

迫力の演奏!芥川高校和太鼓部

まずは芥川高校 和太鼓部の皆さんの演奏からスタート。
実は、午前中からずっとマスクをつけて練習や準備を行っていたため、高校生の皆さんもJICA留学生にとっても、お互いの顔が見える初めての瞬間でした。

緊張の合同演奏

また、新型コロナ感染予防対策として、演奏中の掛け声を最小限に減らしたり、演奏者同士の距離を離したりと、いつもとは異なる環境での演奏となりましたが、和太鼓の歴史や曲の説明等を英語と日本語でしていただきながら、次々と迫力のある演奏を披露してくださいました。

HAT神戸内に迫力ある和太鼓や華やかな笛の音色が響き渡るにつれ、客席だけでなく、円形ステージのあちらこちらに立ち止まり見てくださる方がどんどん増えていきました。お子さんは太鼓のリズムに合わせて飛び跳ねたり踊ったり、大人も子どもも体全体で和太鼓を感じ、楽しんでくださっていました。

アンコール曲でのダンス!

そして、高校生の皆さんの演奏で会場全体が熱くなった後、はっぴとハチマキで気合を入れたJICA留学生がステージに立ち、日本語での自己紹介の後、午前中に練習した合同演奏曲を披露!
傍に立つ和太鼓部の皆さんにサポートいただきつつ、一つの曲を演奏することができました。

アンコールの曲中には、和太鼓とチュニジアのダンスの共演も実現し、JICA関西らしい和太鼓コンサートとなりました。

本番前の練習の様子

初めての和太鼓

例年はJICA関西に1~2か月程滞在し各分野の研修を受ける開発途上国の行政官や技術者である研修員にも広く参加いただくのですが、コロナ禍で海外渡航が制限され来日ができない状況が続いているため、今回は昨年度までに来日し各大学で研究に励んでいるJICA留学生のみを対象としました。参加希望のJICA留学生2名とそのご家族1名がそれぞれ京都の自宅から来られ、検温・手指の消毒・マスク着用等コロナ感染予防対策をとった上で、午前中に和太鼓に初挑戦しました。

大太鼓に挑戦

JICA留学生一人一人に高校生の皆さんが数名ついてくださり、合同演奏曲の練習を進めます。「叩く前に腕を大きく振り上げて」等その場で英語表現がすぐ出てこないような動きの指導も、身振り手振りを交えたり、何度も繰り返すことでだんだんと一つの曲が仕上がっていきます。JICA留学生も高校生の皆さんも初めはお互い緊張した様子でしたが、笑顔や会話がだんだんと増え、1時間の練習はあっという間に終わりました。

また、今回は高校生の皆さんに「練習用動画」を撮影いただき、それをJICA留学生が自宅で見て、太鼓の種類や叩くリズム、曲の雰囲気を事前に把握しコンサート当日の練習に参加する、という工夫を行いました。和太鼓部の皆さんがコロナ禍で演奏会開催が難しくなる中、YouTube公式チャンネルやInstagramでの発信に力を入れて取り組まれていたからこそできた新しい取り組みでした。

JICA関西をバックに集合写真

JICA関西は地域の皆さまと開発途上国をつなぐ場として、イベントやセミナー等様々な催しを開催しております。コロナ禍で対面イベント開催が難しい状況は続きますが、オンラインでの新しい形での交流を企画したり、対面の場合は感染予防対策を十分に講じ運営いたしますので、ぜひご期待ください。