【交流会報告】 ~地域とつながる~児童クラブの小学生とJICA留学生の親子がオンライン交流 ! コロナ禍でも元気いっぱい !

2020年12月14日

セファンくんとレボちゃん

まほろぼ児童クラブの小学生「好きな食べ物は何?」
セファンくん「食べ物はラーメン。」

まほろぼ児童クラブの小学生「ホタル見たことある?」
レボちゃん「ううん、まだ一度も見たことないよ。」

滋賀県の守山市にある「まほろば児童クラブ」の子供たちと同じく滋賀県に住む南アフリカ共和国の家族が、今年の夏にオンライン交流を行いました。

はたしてオンライン交流会はスムーズに!?

当日の様子

当日の様子

去る2020年8月18日、滋賀県の守山市にある「まほろば児童クラブ」の小学1~5年生37名とJICA留学生*1で同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科に通う南アフリカ共和国出身のトラウさん親子3名がオンラインで交流しました。日本にご自分の家族と一緒に住みながら勉学に励むトラウさんは、日頃日本の教育や医療等、生活環境に不便を感じることも少なくありませんが、自分から積極的にコミュニケーションをとってコミュニティに馴染もうとしています。当日は公用語が11言語にも及ぶ南アフリカ共和国の多様性を民族・衣装・食事の観点から守山の子供たちに紹介しました。

「まほろば児童クラブ」の子供たちと、トラウさんのご家族で同世代のセファンくん、レボちゃんについては、対面ではなくオンラインであること、初対面であること、出身が異なることから、場を提供したJICA関西の私達は正直なところスムーズに交流できるか心配していました。ですが子供たちはオンラインツールそのものにわくわくし、オンラインの多少の接続不良はものともせず、時間が足りなくなるほどの盛会ぶりとなりました。「初めての友達」と素直なコミュニケーションで盛り上がる子供たちに、「違い」を意識していたJICA関西の私達は「人と人とのつながり」というシンプルで一番大切なことを気づかされることとなりました。

当日は、まほろば児童クラブにJICA関西のスタッフが1名訪れ、トラウさん親子3名ともう1名のJICA関西スタッフはオンラインで参加して運営しました。

まほろば児童クラブの松尾共子さんにお話を伺いました

松尾共子さん

当日を振り返り、まほろば学童クラブの松尾共子さんにお話を伺いました。

「子ども達が毎年楽しみにしていた夏休みのイベントがコロナ禍で中止となり、それを代わるものを探していました。知人に尋ねるなどする中、滋賀県教育委員会が公開している滋賀県学習情報提供システム「におねっと」*2の中からJICA関西の交流事業を知りました。

私自身が大阪万博でたくさんの外国人と初めて接した頃からするとだいぶ世界は近くなりましたが、こうやって情報ではなく直接話ができたことで、本当の意味で子供達は世界を身近に感じることができたと思います。
トラウさんのご出身である南アフリカ共和国はアパルトヘイトによる悲しい歴史をお持ちかと思います。そういった特色を大人たちは意識しますが、子供たちは先入観を持たずに接しますので、物事を素直に見ることのできるこの貴重な時期に、JICAを通じて普段なかなか会うことのできない開発途上国の方達と交流し、そのおもしろさや多様性を子供達に感じてもらえればと考えています。

同時に、今回のトラウさん達との交流はいい意味で『日常の一コマ』です。異文化交流を大層なものとせず、子供達が交流を通じてたとえ外国語や留学、海外関係の仕事に関心を持たなかったとしても、楽しく話して小さな関心が芽生えたらいいなと思っています。一緒に音楽やアニメを楽しむなど、共通点を見つけられていたらなおいいですね。

交流会後には子供達同士で文通もありました。早く状況が落ち着いて、セファンくん、レボちゃん、トラウさんに直接会えることを楽しみにしています。」

私達JICA関西のスタッフも学びが多い貴重な機会をいただきました。まほろば学童クラブの小学生の皆さん、松尾共子さん、大変ありがとうございました。

JICA留学生との交流事業について

トラウさん親子

今回のようにJICA留学生が家族同伴で交流会に参加するケースは残念ながら稀ですが、JICA留学生との交流事業は定期的に行っています。詳しくはJICA関西*3もしくは各地域におります「国際協力推進員」*4にお気軽にお尋ねください。

業務課 青木梨花・鮫島綾子
滋賀県国際協力推進員 桂武邦