【レポート】JICA特別派遣前訓練生 中間及び最終報告会(熊本県)

2021年11月10日

10月28日に人吉球磨地域・八代市坂本町で活動中の訓練生2名が、それぞれの地域での取り組みや想いを報告した際の様子をレポートします。

「すべてのことには意味がある」わたしの師匠の言葉 【中間報告】人吉球磨地域 松村 響 さん (エルサルバドル 体育 派遣予定)

【画像】8月中旬より訓練開始となった松村さんの活動報告(一例)です。
・都市と農村を結ぶ、地域の健康づくり等を目指す
「山江村 時代の駅村やくば」の方々との交流
・「五木東小学校ジュニアクラブ」でバスケット
ボールの魅力シェア
・「黒肥地小学校英検プロジェクト」での勉強会
・球磨村農家さんでの農作業や出荷作業、
人吉市農家さんとの交流
・被災店舗(老舗の漬物屋さん等)での活動
・不定期に多数の地域イベントへの参加

報告時のたくさんの写真や動画から、日々パワフルに活動されている様子が伝わってきました。
残り20日、「B級品農産物を仮設商店街へ」「世界に興味を持てる糸口としてフィンランド発祥のスポーツ“モルック”を伝えたい」「人吉球磨と今後の活動をつなげたい」など、今後の展望も共有されました。

【画像】何より、「師匠」と慕う方もできるほど、多くの地域の方々と出会いを楽しみ、今、わたしが思うことは、「人間の力ってすごい」「人吉球磨を県外の人にも知ってもらいたい」「たくさんの人に感謝」とお話された松村さんの笑顔が印象的でした。

「本当に地域の人のためになっているのか?」と迷い考え続けた 【最終報告】八代市坂本町 古野 公大 さん(東ティモール 少林寺拳法(空手道)派遣予定)

6月中旬より訓練開始となった古野さんの活動報告(抜粋)です。
・「食処さかもと鮎やな」でのクラウドファンディング
・「道の駅坂本 さかもと館」での出張販売や復興支援活動
・「鶴喰なの花村」での新商品開発と販売戦略、農作業やエミューの飼育など
・ドライブインシアター「さかもと星空映画祭」の企画・運営
・鶴の湯旅館再建のお手伝い

他にも、坂本町での毎日の記録を120日間、個人Facebookへ投稿するなど、本当に様々なことに取り組まれたことが伝わってきました。

【画像】また、「 “第一回”としたのは、今後に繋がってほしいからです。」と熱く語られた『さかもと星空映画祭』。
地元の若者と実行委員会発足、店舗への協力依頼(坂本にゆかりのある店舗のレシートがチケット)、映画上映前の坂本町動画上映、今後を見据えた当日の様子のドローン撮影や編集など、地域の方々と一緒に実現させただけでなく、古野さんの言葉にならない色んな願いがこもっていたように感じました。

活動を通して、「(ボランティア活動には)多様な支援の仕方があり、受け入れ先の環境や人に合わせられる柔軟性が必要」「(坂本町には本当に魅力的な人が多く、)魅力的な人は魅力的な人をよぶ」など多くのことを知ることができたとお話されました。一方で、また、「活動が地域の方のためになっているのか?と悩むことがあった」と、本気で考え、全力で取り組まれた故であろう言葉が心に残りました。

(古野さんは10月末で訓練終了予定です。)

活動へのコメントや訓練生へのメッセージ

当日は、会場のみならず、全国各地からオンラインで、球磨地域振興局、八代市役所、八代市坂本町各団体や地域の方々、訓練修了生や青年海外協力協会・JICA関係者など約30名の方が参加され、あたたかいコメントや応援メッセージをいただきました。
多くの方々に、訓練生をあたたかく受け入れて下さっていることに改めて感謝申し上げます。

以下、一部紹介させていただきます(掲載しきれなかったものはご了承ください)。

(人吉市農家さま)
・50世帯の農家の1農民として、被災者として、JICAの方の支援は、本当に力強いパワー
・(松村さんへ)エルサルバドルで人吉のことを時々思い出してほしい

(八代市役所坂本支所 上田さま)
・(古野さんへ)ドライブインシアター坂本復興映画祭は、地元のケーブルテレビが取材に来て、古野さんは町の有名人になった。第二の故郷と思ってほしい。名残惜しく感謝の言葉しか思いつかないが、ご自分の夢の実現を願っている。健康だけは気を付けて。

(坂本町 訓練生OB 阪本さん)
・「何をもって復興なのか?元の生活に戻ることが復興なのか?最低限の生活が復興なのか?」等と考えることがある。
訓練を通して、復興のその先を見据えて、行政と町民が力を合わせる必要があると感じた。
また、心の復興が重要だと考えるようになった。
・はじめは活動への迷いなどもあったが、地域の皆さんのお陰で楽しく乗り越えられた。
1/11にマラウイに行く予定だが、また遊びにいきます!
※阪本さんの記事は下記関連リンクをご覧ください。

(青年海外協力協会・JICA関係者)
・葛藤の中で多くの方と協力し、色々なことに全力で取り組まれている姿に感動した。
・年代や様々な領域を超えた人との関わりは、人間力をさらに高めることができる。
また、地域に貢献できているか?という思いや悩みなどあったかもしれないが、それは今後の人生の中できっと生かせるときがくると思う。
・信頼関係とコミュニケーションが活動の第一歩という学びを派遣国でも生かしてほしい。
・任国でも帰国後も地域との関係人口として関わり続けて、ぜひ恩返しできるようにしてほしい


※特別派遣前訓練についての詳細は下記関連リンクをご覧ください。。
※活動等の詳細(本人記事)は、順次、特別派遣前訓練生・受入れ自治体の声(下記関連リンクを参照)に掲載予定です。