国連ボランティアとしてメキシコへ ー協力隊OV徳森さん、沖縄と中南米、平和を想う心で繋ぎたいー

2023年3月23日

徳森りまさんと倉科所長

協力隊時代のお話も聞かせていただきました

平和を想う心で沖縄と南米を繋いでいきたいと語る徳森さん

 4月から国連ボランティア(UNV)としてメキシコに渡航される徳森りまさん(協力隊OV)がJICA沖縄を訪問してくれました。徳森さんはメキシコのUNDP/国連開発事務所で平和構築分野を担当し、効果的なガバナンスと民主主義の実現を目指すプロジェクトチームで業務にあたります。「これまではレポートを読むなどして現地の状況を学んできました。メキシコでの活動は緊張もしていますが、とことん現地の方々とむきあって取り組んでいきたいです。」と意気込みを語ってくれました。

 徳森さんは2016~2018年、JICA海外協力隊としてコロンビアとペルーの2か国でコミュニティ開発、青少年活動隊員として活動しました。50年以上続いた国内紛争が2016年に終結したコロンビアでは、平和にむけた新たな国造りが始まっており、徳森さんは村役場の職員として、沖縄戦や沖縄の平和への取り組みを伝えるイベントを実施するなど、紛争犠牲者や支援に取り組むNPOへのサポートを行いました。ペルーでは児童福祉施設の子どもたちに歌や踊りなどレクリエーション活動をとりいれた情操教育支援を行いました。活動時には現地の沖縄県人会、日系コミュニティから文化紹介の衣装を借りるなどのサポートをいただいたとのこと。一方、県人会、日系コミュニティの高齢者らと接するうちに、沖縄戦のトラウマを抱えたまま海外へ移住して生きているウチナーンチュがいることを知り、若い世代に沖縄戦のこと、沖縄の平和を思うこころが知られていない、受け継がれていないと感じることもあったと言います。これらの経験を通し「地上戦を体験した沖縄だからこそ、伝えられることがあるはず」との思いを強くしたそうです。

 帰国後、大学院で国際社会学を学び、また地域活動として沖縄「平和の礎」名前を読み上げる集いの活動にも積極的に取り組んできた徳森さん。今回、これまでの経験を活かし、JOCV枠UNV制度(注)を活用して国連ボランティアの道へ進まれます。今後のビジョンをお尋ねすると「地元である沖縄県、またルーツである南米の双方に貢献、恩返しがしたい。平和を想う心で沖縄と南米を繋いでいきたい」と力強く答えてくださいました。

徳森さん、出発前に訪問いただきありがとうございました。
メキシコでのご活躍を応援しております!

JICA沖縄では今後、メキシコの徳森さんを講師に迎え、オンラインでの文化紹介、活動・キャリア紹介といったイベントも実施していきたいと思っています。
どうぞお楽しみに。

(注)JOCV枠UNV制度
JICAは、国連ボランティア計画(United Nations Volunteers)と提携し、国際協力分野でキャリアップを目指している青年層のJICA海外協力隊(青年海外協力隊など、以下協力隊)OVを国連ボランティアとして主に国連機関に派遣するJOCV枠UNV制度を実施しています。

(注)協力隊OV=Old Volunteers 、協力隊経験者