メキシコ事務所開所50周年～深化し続ける信頼の絆～

メキシコと日本、両国民の協力の歴史は何世紀も前に遡ります。しかし、19 世紀末、どちらも近代化を目指し、メキシコでは共和国制、日本では明治維新が始まった時期に、両国は外交関係を新たに定め経済成長を促し、1888 年の修好通商条約の締結に至ります。後に、最初の公的な日本人移民団の発足に繋がり、126 年前に彼らはチアパス州に渡り定住しました。
1923 年の関東大震災で、メキシコは日本の復旧のために資金援助を提供し、これは両国民
の近代における確固たる友情を示すものでした。1958 年、技術協力プログラムにより最初のメキシコ人研修員が日本を訪れました。プログラムは毎年続き、1971 年には相互に知識を創り上げるため、100 人のメキシコ人が日本を、100 人の日本人がメキシコを訪れました。この協力は 1973 年の JICA メキシコ事務所の開設を通して、より強いものとなりました。メキシコの政府機関や学術機関における人材の知識を強化するために、様々なプログラムやプロジェクトが提供され、同じく有償・無償の資金協力を介し、JICA とメキシコ側カウンターパートは様々な分野におけるインフラを建設してきました。
メキシコにおける JICA の活動は、防災、経済産業開発、農業開発、教育、様々な環境問題、
エネルギー、保健医療分野など国内外の課題に沿った横断的なものです。
JICAと連携するのは、地方政府、大学、市民団体、両国の国民といった多様なアクターから成り立っており、これに加えて、日本の協力にはもう一つの連携者、民間セクターがあります。
彼らの参加により、新たな挑戦に立ち向かい実践的な解決策が提供されています。
国際協力の歩みが始まった当初から、メキシコは協力の受け入れ国であるだけではなく、
JMPP として知られる三角協力プログラムにより、新たな課題に取り組むため地域の各国と協働する頼もしいパートナーでもあります。

2023年8月17日、メキシコ外務省にて、メキシコ事務所開設 50 周年、JOCV 派遣 30 周年及び日本・メキシコパートナーシッププログラム（JMPP）20 周年合同記念式典が開催されました。日本側から、福嶌大使、宮崎理事、坪井所長、メキシコ側からサンドバル国際開発協力庁（AMEXCID）長官、プリア駐日メキシコ大使、ビジャロボス農業大臣（JICA 帰国研修員）等要人の他、C/P や帰国研修員、日系団体等 350 人以上が会場を埋め尽くしました。

式典中、三角・南南協力を包括的、発展的に実施する技プロ構想の意向書に日墨両者で署名、サンドバル長官及びビジャロボス大臣と宮崎理事とのバイ会談も個別に実施し、「メキシコは以前から、また今後も JICA にとって重要な開発パートナーであり、ラテンアメリカ・カリブ地域の課題解決を共に推進すべく、これまで築いた信頼の絆に基づき対話と協働・共創を通じて新たな価値を生み出すステージに入っていく重要性」を相互に確認しあいました。

式典に参加した宮崎理事は「直接対話した方々から感じたことは、メキシコ側のこれまでの日本に対する技術や経済力だけではない、ここまでに先人が紡いできた信頼関係、そしてそれに基づく JICA と CP 機関、日系団体等との良好な関係です。今回、新たな JMPP の意向書を出席者の前で署名したことで、この複合的危機の時代、今後、日墨双方がラテンアメリカ・カリブ地域内外の課題解決に向けて、より対等なパートナーとして手を携えて臨む覚悟を広く表明する機会となった」と述べました。

協力スキームやこれまでの実施プロジェクトの詳細を冊子や動画にまとめました。

日墨研修は、日本・メキシコ両国の相互理解及び友好の象徴として1971年に開始された事業で、この度派遣50期を迎えました。約50年間に及ぶ日墨研修の歴史や事業の魅力を映像でお届けします。また、両国の交流を祝し、音楽会や舞踊界で活躍をされているメキシコと日本の仲間が集い、México Bon Bon Projectが立ち上がり、50周年を記念イベントで、メキシコ音楽と盆踊りのコラボコンテンツ初お披露目となりました！