「KAIZEN PROJECT」活動日記vol.11 地域の暮らしを支える道路を守る - 豪雨被害調査と復旧への取り組み-
2026.08.31
ミルンベイ州政府工事監督局(以下、当局)に派遣されていますJICA海外協力隊の中西です。この度は、ここミルンベイ州(以下、任地)で2026年4月下旬に発生した豪雨により被災した州道の被害調査と復旧工事の様子をお伝えしたいと思います。
この度、被災したのは当局が管理する州道ノース・コースト線であり、ミルンベイ州半島の山地を南北に縦断し、北岸の集落と州都を連絡する重要な生活道です。暗渠管と盛土で構築された路体が流出(写真1)しています。車両の通行が遮断されていますので、急ぎ仮設の迂回路を施工中です。
まず、道路の被害調査では復旧工事を計画する前に、なぜ道路が被災したか原因を調べることから始めます。まず、前後の直線道路から路面水が谷部の盛土に集まり、盛土が流出したことを考えましたが、道路の路面は浸食されておらず、中心から左右に緩い勾配を維持しており、水は道路外へと適切に排水されていました(写真2)。路面水が原因ではないようです。
写真1
写真2
次に、上流の渓流での変状を確認しますが、この度はドローン(写真3)で上空から確認しました。渓流を上空から見ますと、堰き止められて湛水していること、水に濁りがないこと、加えて、周囲に倒木が多いことが判ります(写真4)。
そして、更に上空へとドローンを飛行させて流域全体を確認します(写真5)。大きな崩壊地は発生しておらず、土石流が発生した形跡はなく安心しました。北西向きの斜面に倒木が散見されますが、これは4月上旬のサイクロンの影響と推測されます。
写真3
写真4
写真5
以上の調査より、4月上旬のサイクロンにより渓流へ流れ出た倒木や土砂が盛土の暗渠管を閉塞したため、暗渠管の排水能力が低下していたところ、4月下旬の豪雨により盛土上流の水位上昇、最終的に盛土が流出したと考えられます。今後、復旧工事には暗渠管の排水能力を改善すること、上流の流木を処理することを考慮して計画する必要があります。
最後に通行止め箇所から北岸の海辺へ、ソロモン海の方向へとドローンを飛ばして、道路のり面崩壊や路肩欠損など大きな異常がないことを確認して調査を終えました(写真6)。なお、このドローンの写真は地元メディア1)に提供され、住民への情報共有に役立っています。
写真6
最後になりましたが、パプアニューギニアでは4月上旬のサイクロンの被害で、少なくとも11人の方が犠牲になったと報道2)されています。被災された方々のご冥福とご家族へのお悔みを申し上げますとともに、被災された地域の生活が早期に再建されますよう任地での活動に努めたいと思います。
JICAパプアニューギニア事務所では、海外協力隊員による技術協力を通じて、現地機関の能力向上や課題解決を支援しています。今回の活動は、災害発生後の迅速な状況把握と復旧計画の策定を支える取り組みの一つです。今後も、現地のニーズに寄り添いながら、パプアニューギニアの持続的な発展に貢献してまいります。
引用資料
1) パプアニューギニア国営放送HP(NATIONAL BROADCASTING CORPORATION)
https://www.nbc.com.pg/post/36093/temporary-bypass-to-strengthen-alotau-north-coast-highway-access
2) オーストラリア放送協会HP(ABC: Australian Broadcasting Corporation)https://www.abc.net.au/news/2026-04-13/tc-maila-kills-11-people-as-australia-provides-millions/106557122
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