今、私たちにできる国際協力― JICAインターンを通じて学んだウクライナ支援の軌跡 ―
2026.04.17
ロシアによるウクライナ全面侵略から4年。戦争が続く中にあっても、ウクライナの人々は日々の暮らしを守りながら、復旧・復興という未来に向けた一歩を重ねています。
そうした現実と向き合いながら、「今、私たちに何ができるのか」。その問いと向き合い続けたのが、JICAウクライナ支援室でのインターン期間でした。
インターン期間中、私たちはウクライナ復旧・復興に関するJICA支援の理解促進を目的に、月間特別展示や広報用ポスターの制作、さらには広島・東京でのイベントの企画・運営に取り組みました。展示や対話、文化体験を通じて、戦時下にあるウクライナの「今」と、日本からできる支援のかたちを伝えることを目指しました。
本体験記では、3人のインターン生が、JICA職員の方々との関わりや実践的な業務、イベント運営を通じて感じた、国際協力の現場のリアルと学びを紹介します。
配属先:中東・欧州部ウクライナ支援室
活動期間:2026/1/27
~3/31
テーマ:ウクライナ復旧・復興のためのJICA
支援に関するODA
広報(理解促進)
奥灘萌 明治大学文学部文学科フランス文学専攻
三好香穂 法政大学法学部国際政治学科
上村颯太 広島大学大学院人間社会科学研究科
イベントでインターン代表コメントを発表する奥灘さん
写真提供:NPO法人日本ウクライナ友好協会KRAIANY
大学でフランス文学を学ぶ中で、移民・難民を取り巻く課題に関心を持つようになりました。そうした問題意識と重なったのが、今なお進行しているウクライナ情勢です。この切実な国際課題の最前線に携わりながら、自分自身が国際協力にどのように関わり得るのかを考えたいと思い、本インターンシップに応募しました。加えて、JICAがどのような視点で、多様なアクターと連携しながら支援を行っているのかを実務を通して学び、その理解をより深めたいと考えたことも、参加を決めた理由の一つです。
当初知りたいと考えていたこと以上の学びを得ることができました。JICAのインパクトの大きさや、多様なカウンターパートと連携する国際協力のあり方を実感しました。また、ウクライナ支援室での活動から、ウクライナでの「戦時下の中の日常」を強く感じ、その現実や想いを伝えたいという想いでイベントを企画しました。私の想いや声がイベント参加者に届いたことが何よりも嬉しかったです。イベント運営を通じて、社会に出ていく上で大切な姿勢を学びました。この経験を糧に、国際社会に貢献できる人間になりたいと思いました。
インターン期間中、多くの職員の方からさまざまなバックグラウンドやキャリア、ライフプランについてお話を伺い、「道は人の数だけある」ということを実感しました。国際協力には唯一の正解があるわけではなく、それぞれの立場や専門性、強みを活かした関わり方があるのだと学びました。今後は、日本と世界を繋ぐ架け橋となることを目標に、インターンで得た視点や姿勢を活かしながら、自分なりの国際協力との関わり方を模索し、進路選択に活かしていきたいと考えています。
「Now or Never」
この言葉は、現在JICAウクライナ事務所で働かれている松本颯太さんが、同事務所への配属を希望した理由を語られていた際におっしゃっていた言葉です。この言葉は、私自身が国際協力に向き合う上で、大切にしていきたい考え方の一つとなりました。
国際協力には明確な正解はなく、だからこそ「いつか」ではなく、「今、自分に何ができるのか」を問い続け、行動することが重要だと思います。これからもこの言葉を胸に、目の前のひとつひとつの機会を大切にしながら、主体的に国際協力に関わっていきたいです。
東京のイベントで司会を務める三好さん
写真提供:NPO法人日本ウクライナ友好協会KRAIANY
私がJICAインターンに参加したのは、大学で国際政治を学ぶ中で、途上国問題や国際協力に関心を持っていたためです。そのなかでも、ウクライナ支援室でのインターンをすることを決めたのは、フランス留学中に出会ったウクライナ人の友人との経験がきっかけとなりました。 その友人はロシア語も母国語の一つでしたが、ロシアによる全面侵略以降、その言語を話すことに強い葛藤を感じていると話してくれました。その話を聞き、ニュースとして知っていた国際問題が、自分の身近な人の苦しみとして実感され、「自分にも何かできることがあるのではないか」と考えるようになりました。
インターンを通して学んだ最も大きなことは、国際協力は多様な立場の人々の関与によって支えられているということです。 イベントの企画・運営や関係者との調整を通じて立場や専門の異なる人々がそれぞれの役割を担いながら目的に向かって協力している姿を間近で見ることができました。また、私たちの主催したイベント後に、参加者や登壇者、企業、JICAとの間に新たなつながりが生まれる瞬間を見て、国際協力の「輪」が広がっていく過程を実感しました。
インターンに参加する前は、国際社会の中で自分にできることはごく限られているのではないかと感じていました。しかしインターンを通して、多くの人を巻き込み、立場を越えて協力することで、大きなインパクトを生み出すことができると学びました。国際協力においてJICAは、多様なアクターをつなぎ、協力を具体的な形にしていく「ハブ」の役割を担っていると感じています。今後のキャリアにおいても、一人で完結するのではなく、人と人をつなぎ、協働を通じて社会に働きかけていける存在になりたいと考えています。
学校で開発や国際問題について学んでいる方も、そうでない方も、実際の国際協力の現場はイメージしにくい部分が多いと思います。私自身も、インターンを通して初めて「国際協力を仕事にする」ことの解像度が大きく上がりました。 関心を持ったきっかけは、どんなに小さなもの、大きな志でもそのきっかけを大切にし、一歩踏み出して行動してみることが重要だと感じています。
広島でのイベントで司会を務める上村さん
大学では国際関係論を専攻し、国際政治を中心に学んできました。在学中にアメリカへ留学し、現地の難民支援団体でボランティア活動に参加したことをきっかけに、難民支援や国際協力に関心を持つようになりました。その経験を通して、「実際に自分ができることは何か」を考えるようになりました。そして、本や授業で学ぶだけでなく、実際に国際協力の現場に関わり、課題解決に貢献したいと考え、日本の国際協力の現場を経験できるJICAのインターンに応募しました。
インターンを通じて、JICAは国際機関や各国政府だけでなく、民間企業やNGO/NPOなど、多様なアクターと連携しながら事業を実施していることを学びました。イベントの運営を通して、国際協力には一つの正解があるのではなく、それぞれ異なる役割や強みを持つアクターが協働することで成り立っていることを実感しました。それまで国際協力は狭い分野だと思っていましたが、国際協力に貢献する方法は無数にあると学び、自分の中での国際協力の可能性が大きく広がりました。
役割や強みの異なる多様なアクターをつなぎ、協働していく経験は、国際協力分野に限らず、どのようなキャリアにも活かせると感じています。一つのアクターでは成し得ない大きな挑戦も、様々なアクターと協働することで達成できると学びました。そのため、今回のインターンを通じて得た学びを基に、自身の視野とネットワークを広げ、点と点をつなげる人材になりたいと考えています。そして、自分なりに国際協力に貢献できる方法を模索し続けたいと思います。
国際協力について学ぶ中で、実際の現場に関わることで初めて理解できることが多くあると感じました。JICAのインターンでは、職員の方をはじめ、さまざまな立場から国際協力に携わる方々と接する機会があります。その経験を通じて、国際協力の可能性や、自分にできることの幅が広がると思います。国際協力に興味のある方には、ぜひ「実際に体験すること」を大切にしてほしいです。
ウクライナ支援室でのインターンを通して、国際協力は決して遠い世界の話ではなく、一人ひとりの関心や行動から始まるものであると実感しました。
戦争下にある現実と向き合いながら、日常と未来をつなぐ復旧・復興に取り組むJICAの姿勢は、「今、私たちに何ができるのか」を考える上で大きなヒントを与えてくれます。
支援の現場で出会った言葉や人とのつながりは、インターン期間を終えた今も、私たちの中に残り続けています。
本体験記が、国際協力を身近に感じ、自身の「できること」や次の一歩を考えるきっかけとなれば幸いです。
最後に、本インターンを通じて温かくご指導くださったJICAウクライナ支援室をはじめとする職員の皆様、業務やイベントを通して関わってくださった関係者の皆様、そしてイベントにご参加くださった皆様に、心より御礼申し上げます。
インターンが企画したイベントの活動内容はこちらよりご紹介しております。ぜひご覧ください。