バングラデシュ「小学校理数科教育強化計画」は、2004年10月から4年間、バングラデシュ国の首都ダッカと、マイメイシンの対象地域において小学校理数科の教員研修・授業の質が向上することを目的に、以下の成果を達成すべく活動をしています。
- 成果1
- 対象地域小学校理数科の教員研修講師・現場教員の授業実践力の向上
- 成果2
- 適切な理数科教育の実践
- 成果3
- 理数科教員研修の適切なカリキュラムと妥当な評価法の提言
- 成果4
- 初等教育アカデミー−教員養成校−現職教員研修機関−学校間の縦の連携強化
- 成果5
- 教育パッケージの開発
本プロジェクトの特徴として、以下の3点があげられます。
(1)他ドナーとの調整を踏まえた活動実施
バングラデシュでは、第2次初等教育開発計画(PEDP2:Second Primary Education Development Program:2003-2009)に基づき、初等教育分野の援助事業を行うドナー間で、調整が図られています。本案件もこの枠組みのうちのコンポーネント2「教育の質改善」プログラムに位置づけられており、他の機関と意見・情報交換を行いながら事業を進めています。
(2)青年海外協力隊との連携
本プロジェクトを実施するにあたり、現在現場レベルに派遣されている青年海外協力隊(JOCV)「理数科教員」隊員とも、勉強会などを通じた緩やかな連携をはかり、活動を実施しています。
(3)民間コンサルタントと大学が共同で受託し実施している案件
本案件は、民間コンサルタント会社である(株)パデコと、広島大学の共同企業体(JV)にて委託し実施しています。なお、本プロジェクトに広島大学が参加したことにより、以下の効果が現れています。
現地教員の意識の変化
長期的に派遣されているパデコの専門家および短期的に派遣されている広島大学の教員により、教科や指導技法の専門知識に加え、教育そのものの考え方が現地に移転されています。その成果として、徐々に教員の授業に対する意識が変化・向上してきています。
広島大学と現地の双方向での情報共有・蓄積
本プロジェクトでは、広島大学大学院国際協力研究科に蓄積された経験や知識が、バングラデシュにおける技術移転の際に活用されています。また、同時にバングラデシュで現在行われている活動の経験が、学術的な知識・経験として日・バ双方で有益な情報が共有されています。
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