PCM研修(森林保全コース)参加の様子
農畜産分野の知識を持つものならではの会話
2010年に締結した新連携協定に基づき、獣医・農畜産分野の「国際協力に資する人材の育成」を目的として、畜産国際協力ユニット学生を対象にJICA北海道(帯広)での研修員受入事業や開発教育支援事業の実施運営業務等を体験する国際協力インターンシップを実施しています。
帯広畜産大学 畜産国際協力ユニットは、2年次に畜産科学課程の他の専門教育ユニットにいったん所属した学生のうち、そのユニットが教育する農畜産の特定分野の知識と技術を国際協力や国際貢献の現場で活かすことを目指す者が、3年次に改めて分属するユニットです。分属した学生は最初に所属した専門ユニットの勉強を続けながら、海外実習や国際協力インターンシップ、国際協力研修実習などの体験実習を通じて国際協力の現場に触れるとともに、国際協力ディベート論や外国語科目を通じて、国際協力に必要なコミュニケーション能力を身につけます。本インターンシップは、農畜産分野における専門教育を国際的な舞台で活用する方法について、実際の実務者の指導の下に就業体験し、これを通じて就業意識の育成と学習意欲を向上させることを目的としています。インターンシップ後には2単位が付与されます。
日時 | 実習内容 |
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9月5日(月) | JICA北海道(帯広) 事業概要説明 |
9月6日(火) | 「地域住民の参加による多様な森林保全」研修コース PCM研修 参加 研修員福利厚生業務 実施補助 |
9月7日(水) | JICA研修員学校訪問説明会 実施補助 |
9月8日(木) | 「公共事業における市民参加・合意形成及び住民移転」研修コース インセプションレポート発表会 聴講 |
9月9日(金) | 開発教育指導者研修実行委員会 出席 |
9月12日(月) | JICA北海道(帯広) 広報業務 実施補助 |
9月13日(火) | JICA北海道(帯広)施設訪問(芽室町立芽室小学校) 対応補助 |
9月14日(水) | 研修員福利厚生業務 実施補助 |
9月15日(木) | JICA北海道(帯広) 図書資料室運営 業務補助 |
9月16日(金) | インターンシップ報告会 |
本インターンシップ参加者を含む畜産国際協力ユニット学生は、3年後期に「国際協力研修実習」(2単位)を必修科目として履修します。この実習は、JICA北海道(帯広)が高校生を対象に行う短期研修「JICA高校生国際協力セミナー」をJICAと共同で立案、実施するまでの一貫したプログラムで、当日のセミナー運営は学生主導で行います。本実習の目的は、セミナーのコンセプトを考え、プログラムを企画・運営する作業を通じて国際協力・国際理解のための具体的な計画を立案する能力【企画力】、実際に実施できる能力【運営力】を習得することにあります。
インターンシップで得た経験をいかしてセミナーでファシリテーターを務める
食料問題をテーマとした平成23年度のJICA高校生国際協力セミナーでは、各大学生がそれぞれの専門分野に関連する流通・肉食・バイオエタノール・食糧残渣・栄養の分布・プランテーション栽培・生産性の低下という7つの問題を高校生たちに提起。高校生と年が近い大学生が主体的に運営していることで、参加高校生とのコミュニケーションが良好になり、高校生の活発な参加・発言を促す結果となっています。また、学生それぞれの農畜産に関する専門分野の知識と、国際協力インターンシップで培った事業実施・運営にかかわる経験が、実際のセミナー運営でいかされることは、大学生自身のモチベーションと自信の向上につながっています。