JICA海外協力隊員が指導したアスリートのオリンピック、パラリンピックへの参加

2021年8月2日

マダガスカルで柔道の指導をする井手さん

マラウイで柔道を指導した工藤さん(中央)と教え子のハリエット選手(右)

ザンビアの選手たちに陸上のトレーニングを行う野﨑さん(左端)

JICAは、1960年代から、JICA海外協力隊の派遣を通じ、競技スポーツの指導のほか、平和な社会の実現に向けて、スポーツを通じた人材育成、健康の増進、障害者や女性の社会参画の促進や難民支援等に取り組んでいます。2020年3月までに4,649名の体育・スポーツ分野の隊員を89ヶ国へ派遣しました。この人数はこれまで派遣してきた海外協力隊員の総累計人数の約1割を占めています。

今回東京で開催されるオリンピック、パラリンピックには、海外協力隊員が指導した柔道、球技、競泳、陸上などのアスリート18名と団体チーム1つが出場する予定で、少なくとも18名の海外協力隊員が指導等に関わっています。海外協力隊員が指導した選手のオリンピック、パラリンピックでの活躍は、スポーツを通じた国際協力の取り組みの成果の一つです。これまでに開催された大会では、海外協力隊員が指導した選手が約90名出場し、合計7個のメダルを獲得しています。東京大会でも各アスリートが存分に力を発揮することが期待されます。

東京大会に参加するオリンピアン、パラリンピアンを指導した海外協力隊員について、これまで紹介してきた関連記事は以下のとおりです。

●井手龍豪さん(マダガスカル・柔道)

2018~2020年、マダガスカル柔道連盟でクラブチームを巡回指導。今大会では調整やウォーミングアップのサポートとして出場選手に同行。

●伊藤有信さん(メキシコ・卓球)
2017~2019年、メキシコで活動。障害者卓球のメキシコ代表のトレーニングをサポートし、今大会の出場権獲得に貢献。

●片桐翔太さん(ケニア・バレーボール)

2019年からケニア女子バレーボール代表チームを指導し、今大会の出場権獲得に貢献。

●工藤龍馬さん(マラウイ・柔道)

2018~2020年、マラウイ柔道協会で柔道を指導。2018年、2019年の世界柔道でも代表チームに帯同。今大会にもコーチとして帯同。

●小林幹佳さん(パナマ・柔道)

現在、全日本柔道連盟職員。2011~2013年、パナマで活動中に直接指導した選手が今大会に出場。

●髙橋昭文さん(ミクロネシア・水泳)

2017年からミクロネシアオリンピック委員会水泳連盟でオリンピック出場を見据えて選手・コーチを育成。今大会のオリンピックにはコーチとして帯同。

●髙橋賢人さん(キルギス・陸上)

2018~2020年、キルギスアスリート連盟で陸上指導。五輪出場予定選手にも練習メニューを提供。2021年にはキルギスオリンピック委員会副会長顧問に就任。

●瀧本庸平さん(ラオス・柔道)

2018年からラオスで活動。現在も日本国内で練習する同選手をサポートしており、今大会のオリンピックもサポートとして同行。

●野﨑雅貴さん(ザンビア・体育)
2018年にザンビアで出会った視覚障害のある陸上選手の指導を補助。同選手は今大会に出場。

 
今後もJICAは、海外協力隊の派遣や技術協力等を通じて、スポーツ分野での国際協力に取り組みます。