★特別対談後編★絶景プロデューサー・詩歩さん×エチオピア・フィリピン隊員

2022年3月14日

 JICA海外協力隊のBefore Afterショートムービー「世界で見つけたわたしの物語」!
公開記念として絶景プロデューサー・詩歩さんとムービーの主人公たちによる特別対談が実現!
前編では詩歩さんが驚いた協力隊制度や主人公それぞれが語る応募の決め手、元ラオス隊員の梅谷さんの当時のお気に入りの写真をご紹介しました。
 前編記事は以下リンクよりご覧いただけます。

「世界と異なるエチオピアの●●!?」 

写真1:
上段左から町田元隊員、梅谷元隊員、
下段左から清水元隊員、詩歩さん

写真2:町田元隊員(エチオピア)の一枚「ローカルバスでみたエチオピア人の優しさ」

★詩歩:
 エチオピアに派遣されていた町田さんのお気に入りの一枚はなんですか?

●町田元隊員(エチオピア):
 予想外の衝撃を受けた時の一枚です!(写真2)
それまでエチオピアで生活をしていると見ず知らずの人に呼びかけられたり、触られたり、ちょっとうっとうしいなぁと思うことが度々ありました。しかし、ローカルバスに乗ってみるとなぜかバスの中では静か!この写真にあるように皆落ち着いて座っているんです。さらに出発すると乗客同士でお菓子を分け合ったり、トイレに行きたい人がいたらどこでも停まってくれたりします。
「いつも騒がしいエチオピア人」という固定概念が覆された瞬間でした。
 ローカルバスは移動のためによく使っていたのですが、同じ距離でも乗るバスによって運賃が異なっていたり、乗客が集まらないと出発してくれなかったり、日本と異なる所だらけなことにも当初は驚きましたね。

写真3:詩歩さんの一枚「黄色や緑の極彩色が美しいエチオピアのダナキル砂漠」

★詩歩:
 出発時間が決まってない!?時刻表通りに運行され、一律料金で利用できる日本のバスとは大違いですね!
 私も「世界一過酷な場所」と言われるダナキル砂漠(写真3)を見るためにエチオピアに行ったことがあるのですが、カレンダーや時間軸が世界標準と異なることに驚きました!現地では12時間制のエチオピア時間を採用しているので、ガイドの人から待ち合わせの時は「何時」じゃなくて、「何時間後」と伝えないと間違えちゃうよと言われてビックリしました。

●町田元隊員(エチオピア)
 そうなんです!エチオピアは独自に発展したエチオピア正教会(キリスト教)というのがあり、そこからエチオピア歴という独特の時間軸が作られています。朝6時を「0時」として始まるので、同僚と待ち合わせる時はエチオピア時間なのか、ヨーロッパ時間なのか毎回確認していました。

★詩歩:
 そういった文化や生活の違いについても現地に行く前に学べるんですか?

●町田元隊員(エチオピア):
 派遣前のトレーニングで、現地事情や治安上の安全対策について学ぶ講義がありました。実際の生活スタイルや日本から持っていくと便利な物等も事前にエチオピアに行っていた先輩隊員から聞いていました。これも協力隊ならではのメリットだと思います!

◆町田さんが現地の人と仲良くなるために工夫したことやエチオピアで気づかされたまちづくりの秘訣とは!?…詳しくはYouTubeをご覧ください!◆

訪問教育に行った私が、教えてもらったこと

写真4:清水元隊員(フィリピン)の一枚「初めての訪問教育でみえた地域の絆」

★詩歩:フィリピンで障がい児支援をされていた清水さんのお気に入りの一枚を教えてください!

●清水元隊員(フィリピン):
 私のお気に入りは、障がいがあって学校に通えていない子どもに初めて「訪問教育」をした時の一枚です!(写真4)
一人でも多くの子ども達に教育を受ける機会を与えるということが、私が協力隊に参加した一番の目的でした。いざフィリピンに行くと身体に障がいがあって通学できない子ども達がたくさんいるのに驚きました。子ども達が通えないなら、私達、先生が子ども達に教えに行けばいいと思い、訪問教育を活動の1つにしようと決めました。
 
★詩歩:
 確かに日本では学校も病院も十分あって、道路や建物も障がいのある方でも利用できるデザインになっていますが、途上国ではそうとは限らないですよね。

●清水元隊員(フィリピン):
 そうなんです。最初にお家に行った時は、勉強できるような机や椅子もない環境でどうしようかと考えていました……そんな時に「使っていいよ!」と嬉しい言葉を投げかけてくれたのが近所の方々でした。私達が困っている様子をみて、快く声をかけてくれたご近所さんの協力により授業を始めることができました!
 フィリピンでの活動を通じて、「障がいを家族で抱え込まなくもいい」、「地域で支え合う力が大切」と思うようになりました。福祉サービスが充実している日本では、むしろこういう機会が減っているよう感じます。私達がフィリピンの人々から学ぶべきところだなと帰国してあらためて感じます。

写真5:詩歩さんの一枚「フィリピン・セブ島」

★詩歩:
 ご近所同士の助け合い……確かに今の日本では薄れてしまっている光景ですね。私はフィリピンだと綺麗な海で有名なセブ島(写真5)に行ったことがありますが、地元のコミュニティではそんな温かい一面もあるんですね。


◆フィリピンで目の当たりにした子ども達への協力体制…帰国した清水さんにとって「当たり前」となった学びとは!?…詳しくはYouTubeをご覧ください!◆

「JICA海外協力隊」という選択肢 

●JICA:
 協力隊として活動されていた3名とのお話はいかがでしたか?

★詩歩さん:
 聞いたことのない町や村での生活、ネットでは分かりえない実際に行ったから出会える文化や価値観の魅力……現地語を習得し地域の人に歩み寄る協力隊は、ボランティアの枠を超えた「経験」や「学び」があるんだなと皆さんのストーリーを聞いて感じました!
 海外に長期で行く手段には留学やワーキングホリデー等もありますが、行く前から現地の言葉を学び、同じ目線で生活し、現地の人から同僚や仲間として受け入れてもらい、活動を共にできるのは協力隊ならではかなと思います。就活中の「新しいことにチャレンジしたい」学生や会社勤めで「今あるスキルや経験をもっと活かしたい」と感じている人が沢山いると思いますが、新たなキャリアを考える時に「JICA海外協力隊」という選択肢がもっとたくさんの人に増えるといいなと思いました!
梅谷さん、町田さん、清水さんの新しいチャレンジ、これからも応援しています!

詩歩さん、素敵なメッセージありがとうございました!詩歩さんの中で考えられていた協力隊のイメージが変わったという「世界で見つけたわたしの物語」ぜひご覧ください!