千葉県と大洋州の懸け橋となる案件採択

ートンガ王国で空港関連の人材育成を支援 ー 

2021年11月16日

千葉県と大洋州の懸け橋となる案件採択 ~トンガ王国で空港関連の人材育成を支援~

 国際協力機構(JICA)は、10月15日、「中小企業・SDGsビジネス支援事業 案件化調査(SDGs型)*1」において、株式会社成田空港ビジネス(千葉県成田市、假谷実代表取締役社長)が提案する「トンガ国『特定技能』人材の活用に向けた教育スキーム構築のための案件化調査」を採択しました。
 南太平洋に浮かぶ島国、トンガ王国。太平洋を挟んで千葉県の隣国となる人口約10万人のこの国には、1986年からJICA海外協力隊(日本語教師)が派遣されており、7校の高校で若者たちが日本語を学んでいます。しかし、国内の就労機会が十分でないため海外への出稼ぎが一般的です。

成田空港で働くフィジーの先輩

トンガの高校の授業風景

株式会社成田空港ビジネスは、日本の空の窓口、成田国際空港における空港関連の企業や周辺地域の企業のために人材の派遣を行っています。同社は、国際的人的交流の促進のため、これまでもフィジーなど大洋州からの外国人材の活用を進めてきました。本調査では、トンガの若年層に対する教育スキーム(日本語教育と技能教育)の構築に向けて、現地での日本での就労へのニーズ、教育環境の調査を行いビジネスモデルの策定を行います。
 本調査を通じて形成されるビジネスモデルは、「特定技能」在留資格の活用を前提に、トンガ・日本間での人材還流を促進します。これまで還流人材に関する事業は東南アジアを対象としたものが一般的でしたが、本事業では、英語ができ、教育レベルが高い上にホスピタリティーの高い大洋州の人材に着目した点が新機軸として評価されました。トンガでの教育スキームを終了した若者は、日本での就労により実務経験を通じてさらに能力向上を図るとともに、空港関連の労働力不足の解消に貢献します。また、長期的にはトンガへ帰国後、還流人材として空港関連業務を含む観光業界を中心に活躍し、トンガの経済成長に貢献することが期待されます。

*1 2021年度第一回は今年6月に公示を行い、合計32件が採択されました。JICA東京所管の県内からは、計2件が採択されました。