「地域の魅力創出×SDGsプロジェクト」東京農業大学第二高等学校では

群馬の3つの高校の有志が参加し、SDGsをテーマに地元の魅力発信や課題解決を目指す「地域の魅力創出×SDGsプロジェクト」。東京農業大学第二高等学校の皆さんの思いをレポートします。

2022年8月15日

東京農業大学第二高等学校でのこれまでの取組み

JICA群馬デスクの活動紹介を実施 

澤田先生も登壇した多文化共生イベント

 JICA日系社会ボランティアとしてパラグアイの子どもたち向けの日本語教育や情操教育に従事していた経験をもつ、東京農業大学第二高等学校グローバルコース担当の澤田先生。自身の活動や体験を生徒に伝えることに加え、様々な外部講師を招き国際理解教育に力を入れています。JICAでは2021年度にグローバルコースの生徒を対象に国際協力出前講座や多文化共生・共創のイベントを実施しました。
 グローバルコースの生徒はもともと海外志向がありましたが、国際理解教育で学んだことをもとに国内で実践できる「地域の魅力創出×SDGs」3校連携プロジェクトに関心を持ち、参加することになりました。

3校連携で実施したからこそ得たプロジェクトの学びとは?

パラグアイの紹介をする澤田先生

 東京農業大学第二高等学校の生徒さんは探究活動と合わせて、「地域の魅力創出×SDGs」3校連携プロジェクトに参加しました。「グローバルな道も地元から」と話す、担当の澤田先生。このプロジェクトを通して生徒さんがどのように成長したのか、澤田先生の思いを紹介します。

生徒の意見を上手に引き出す様子が印象的でした

 「本校では3年生のグローバル生が参加し、各自の進路と地域創生を絡めた探求活動を行った。活動当初、名物や観光地を調べるにとどまり、目的意識もなく群馬県のことを扱って何になるのかと生徒たちは行き詰まっていた。けれど他校の生徒が進路と地元のことを重ねた発表をしたことをきっかけに一転した。自らテーマを変更し、NPOや企業へアポイントを取り、訪問やアンケートなどの調査を進め、進路と地域の課題を見事に重ねていった。身近なことに取り組むことこそグローバルだと考え、北関東の片隅で国際理解へ関心を寄せる仲間たちがいることを生徒たちは知り、自らの行動力・発信力・思考力を実感することになった。」

3校連携プロジェクトに参加した生徒さんの思いをお届けします 

「地域の魅力創出×SDGs」3校連携プロジェクトに東京農業大学第二高等学校からは約10名の生徒が参加しています。今回の経験からの学びを代表生徒2名の言葉で皆さまにお届けします。

松本さんと澤田先生

東京農業大学第二高等学校 グローバルコース3年
松本 千世梨

 「私はこのプロジェクトで将来の夢に関係することをテーマにしたので、自分が将来関わりたいと考える児童福祉について理解を深めることができました。また現地調査で様々な場所に行ったことで、積極性や行動力、社会性が身につきました。三校合同でプロジェクトを進めることで、今までにない新しい発想や考えを共有できてとても刺激になりました。今後は現地調査を通して知り合った方のボランティアに参加したり、引き続き現地調査をしていきたいです。」

澤田先生と佐藤さん

東京農業大学第二高等学校 グローバルコース3年
佐藤 乃愛

 「私たち、農大二高グローバルコースは今年三月に難民支援を目的として学校内で募金活動をおこないました。各個人が積極的に募金の呼びかけをおこない、想像を超える金額を集めることができました。また、当初は現グローバルコース二年生に三年生が加わり始まった活動でしたが、この活動をきっかけにそれぞれが国際的な問題に目を向けるようになり、新たなボランティア活動を開始することにもつながりました。今後もこの活動を通して学んだ積極性を生かし、様々な活動に取り組んでいきたいと考えております。」

 東京農業大学第二高等学校の生徒は、実践報告最終回で他校生徒さんの意見も取り入れながら高校生ボランティアアワードに出展する最適なポスター作りの進行を務めている様子が大変印象的でした。これから進路実現に向けてそれぞれの生徒がより本格的に動き出していくかと思いますが、是非これからも主体性を持ち続け多方面で活躍する姿を期待しています。

国際協力推進員・JICA群馬デスク 宮田峻弥