鉄道開業150周年の歩みとJICA協力

2022年10月31日

鉄道の歩みとJICA協力

2022年10月14日、鉄道開業150周年を迎えました!

1872年10月14日に、新橋-横浜間で日本初の鉄道が開業して以降、鉄道は瞬く間に日本中に拡がり、多くの人・ものを運ぶ手段として発展してきました。そしてこの150年の間、世界大戦や震災等の困難もありながら、その時代に合った多様なニーズを反映させ、たゆまぬ技術革新を続け、日本の経済成長を支えてきたのです。足元ではコロナ禍により、以前ほど旅行が容易でなくなり、鉄道事業や私たち利用者も大きな影響を受けていますが、それでも鉄道はいつも場所と場所、人と人をつなぐ手段として、私たちの生活のそばにあり続けたと思います。

日本は「鉄道大国」として、今も世界をリードする最先端の鉄道技術・性能を誇っており、現在では他の交通機関と比較してもCO2排出量が少なく地球環境にやさしい乗り物として、世界的にもさらに注目が集まってきています。
開発途上国では、近年の経済発展に伴う都市人口の増加・自動車の増加等による、慢性的な交通渋滞や大気汚染、交通事故等が大きな都市交通の課題となっており、それらを解決する手段として鉄道・高速鉄道への支援ニーズが高まっています。JICAでは、国内の鉄道会社等より協力を得ながら、多くの開発途上国に対して、円借款や技術協力・人材育成等の支援を行っています。

鉄道分野のさらなる協力強化・国際連携を目指して

鉄道開業150周年

東京センターが所管する鉄道分野の課題別研修では、「都市鉄道の運営」と「都市鉄道事業者レベルアップ研修」があります。「都市鉄道の運営」は、JICAの鉄道分野の協力が進んでいるアジア諸国始め、中東、アフリカ、中南米といった国も対象とし、自国の都市交通政策を担う政府・自治体・関連機関の職員を対象に、日本の都市鉄道の運営に関する一般的な知識・概論を幅広く網羅的に伝える内容となっています。一方、「都市鉄道事業者レベルアップ研修」は、近年都市鉄道の開業が進むアジア諸国等を主な対象とし、横浜市鉄道局に全面協力をいただき、系統ごと(車両および駅務)の実践的な技術やオペレーションとマネージメントを学ぶことに焦点を当てた、実務型の研修プログラムとなっています。
いずれのコースにおいても、鉄道開業150年の歴史を持つ日本において、鉄道技術がどのように培われてきたのか、鉄道にかける人々の熱い思いも含め研修員に伝えられるよう、今年度の開催に向け、研修協力機関と鋭意準備中です。

◇研修概要◇
■課題別研修:「都市鉄道の運営」
研修期間(予定):2023年1月19日~2月16日
参加国(予定):ベトナム、フィリピン、バングラデシュ、イラン、エジプト、ケニア、タンザニア、ペルー
研修受託機関:日本コンサルタンツ株式会社
実施方法:来日研修

■課題別研修:「都市鉄道事業者レベルアップ研修」
実施期間:2022年11月21日~2023年1月25日(研修実施日数:うち9日間)
参加国(予定):インドネシア、ベトナム、フィリピン、バングラデシュ、エジプト
研修協力機関:横浜市鉄道局
実施方法:オンライン研修

■その他、鉄道分野の国別研修も実施しています!
インド国別「インド高速鉄道コアスタッフ研修」(関連リンク※1)
フィリピン国別「鉄道訓練センター運営能力強化研修」