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成長する水道事業のためのデジタルトランスフォーメーション - すべての人に安全で信頼できる水を届けるために

2026.01.05

 世界的に水資源の逼迫が深刻化する中、水道事業体の持続可能な運営がこれまで以上に求められています。国連の予測によれば、2030年までに世界の水需要は供給を40%上回る見込みです。一方で、水道事業体は毎年、コストをかけて浄水処理した水のうち、約1,260億立方メートルを漏水や料金請求がなされない水として失っており、これは総生産量の約3分の1に相当します[1]。特に開発途上国では、水道サービスの質の低下、投資余力の不足、顧客からの信頼の喪失といった課題が水道公社事業の非効率と財務悪化の悪循環を引き起こしており、こうした現状を打破するためには、従来の運営モデルを超えた抜本的な変革が求められています。
 このような背景を踏まえ、JICAは、水道事業の持続可能性と効率性の向上を目的とした戦略的報告書 “Digital Transformation for Growing Water Utilities” を発表しました。本報告書は、JICAが政府開発援助(ODA)を通じて培ってきた現場知見を基盤に、水道事業者が直面する課題に対して、エンタープライズDXの導入を通じた解決策を提示しています。
 具体的には、無収水 [2]の削減、老朽化インフラの管理、財務健全化といった喫緊の課題に対し、AIやIoT、スマートメーターなどの先進技術を活用することで、リアルタイム監視や予測保守、効率的な資源配分を実現する方法を紹介しています。また、各事業体の現状に応じた変革を可能にするための様々なツール(例えばデジタル化レベル評価フレームワーク、最適なシステム構成(アーキテクチャ)、段階的な導入ステップ)のほか、実際のケーススタディも盛り込まれています。
JICAは、こうした知見をもとに、今後も各国政府、民間企業、地域社会との連携を通じて、すべての人々に安全で信頼できる水の供給を実現するためのデジタル変革を支援してまいります。

[1]出典:Astute Analytica Pvt Ltd 「水道管漏水検知システムの世界市場」
[2]供給したにもかかわらず料金を回収できない水のことを指し、開発途上国を中心に水資源の浪費・収入の減少・サービスの低下を招く原因となっている。

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