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民間共創

JICA DX ビジョンで掲げる「革新を生み出す共創の推進」

JICAでは、多様なパートナーとの共創を通して、革新的な技術やアプローチを取り込み、事業に活かすことを重視しており、JICA DXビジョンにおける9つの行動の1つにも「革新を生み出す共創の推進」を掲げています。開発途上国における課題はより一層複雑化・高度化しており、こういった状況において開発途上国の課題解決と持続可能な成長を促進するためには、官だけでなく民間の技術・ノウハウやビジネスモデルといった創意工夫の活用が非常に有効であると考えています。

JICA事業DXにおける民間共創は柔軟な形をとり、民間企業との契約に基づく協業に留まらず、共創を図る民間セクターエンゲージメント(Private Sector Engagement:PSE)、デジタル公共インフラ (Digital Public Infrastructure:DPI) 上でのサービス実装・拡大、あるいはDPI/DPGそのものの構築段階からの参画など、形態も領域も様々です。これらの取組は単発的な協力の枠を越えて、現地の制度や仕組みに接続され、持続的に展開されていくことを前提に実施しています。

個別案件を超えた包括的なパートナーシップでの共創も実現

JICAでは、これまで様々な分野において、国内外のデジタルパートナーとODA事業を行ってきました。2023年には、エチオピア革新・技術省、Safaricom Telecommunications Ethiopia Plc、住友商事株式会社と業務連携・協力に関する覚書を締結し、エチオピア政府が掲げる国家ICT政策「Digital Ethiopia 2025」の実現を支援するため、通信や教育、行政手続きといった複数領域におけるDXの取り組みが進められています。

また、インド・デリーでは、JICAとデリー準州政府、現地メトロ事業者、バス会社等の民間企業が連携し、交通分野のデータ連携基盤である「Transport Stack」の展開が進められています。これは、メトロ・バス・鉄道・マイクロモビリティ・EV充電など複数の交通モードのデータを統合し、共通プロトコルやオープンAPIを介して相互運用可能な環境を整えることで、民間による革新的なサービス提供を可能にする基盤です。当該基盤により、都市交通に関する多様なデータを民間事業者が利活用できることになり、利用者向けの新サービスの創出や、交通運用の最適化、混雑の緩和といった社会的課題への対応も進むという循環が構築されます。このようにTransport Stackは、単なる情報共有基盤を超え、公共と民間が連携して価値を共創するエコシステムとして機能しつつあり、今後インド国内外の他都市への展開も期待されています。

JICAは民間デジタルパートナーとの共創の可能性を柔軟に模索しており、よりインパクトを生み出すかたちを追求していきます。こうした民間共創を通じて、JICAは単なる技術導入にとどまらず、サービスの質向上、社会基盤インフラ・公共財の最適化、新たなビジネス機会の創出といった、持続可能な開発に向けた実質的な変革を実現しています。JICAにとって民間共創は、技術と知見を持つパートナーとともに未来志向の社会インパクトを創出する、開かれた協力の新たな形です。
なお、JICA DXLabにおけるデジタルパートナーとの共創実績はこちらからご覧いただけます。

関連するリンク

パブリケーション

Transport Stack – デジタル公共インフラと公共財によるイノベーションとインパクトの推進

Forest Stack: デジタル公共インフラを活用した森林保全と管理のトランスフォーメーション