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エンタープライズ DX

JICA DXのエンタープライズDXプロジェクトとは?

JICAは長年に渡り、開発途上国に対し、鉄道や道路、水道といった人々の生活や経済活動に不可欠な社会・経済インフラの構築・整備に力を入れてきました。このような物理的な支援の提供に加え、近年JICAは「エンタープライズDX」として、ODA事業のカウンターパートにあたる各省庁や、水道・公共交通・電力等のインフラ運営主体など、官公庁・公社(エンタープライズ)におけるデジタル・トランスフォーメーション(DX)の推進を支援しています。

開発途上国でインフラ事業を担う運営主体は、顧客満足度の低迷や低収益といった課題を抱えており、サービスの質や信頼性、経営手法のいずれにおいても改善の余地があります。JICAはエンタープライズDXを通じて、デジタル技術を活用した事業の効率化、データドリブンな経営改善と付加価値向上、収益改善等を支援し、地域の社会・経済発展におけるインパクトの創出を目指します。JICAは、これまで多くの開発途上国におけるインフラ協力を通じて得た知見やノウハウ、ネットワーク等を最大限に活用しながら、この取組を進めています。

エンタープライズDX支援の進め方

エンタープライズDXの支援を進めるにあたり、まずは支援対象となる事業体においてどの程度デジタル化が進んでいるのかを調査し、そのうえで各事業体のデジタル発展度合いに応じたDX戦略を策定します。例えば、どのようなデータをどのように取得・蓄積していくか、どのようなキャパシティをどのように獲得していくか、どのようなガバナンスを設け、どのように定着させていくか、といった具体的・実践的な方針を定めます。そして、策定したDX戦略に基づき、必要に応じて外部のデジタルパートナーと組みながらアクションの実行支援を行います。また、JICAによる支援後も事業体が自律的且つサステナブルにDX戦略に基づく事業が継続できるよう、オペレーションを考慮した事業体へのノウハウ移管をデジタルパートナーと共に行っています。

水道や交通をはじめ、多くの事業体の運営改善に貢献

すでに水道や鉄道事業においてエンタープライズDXの取組を実施しており、各事業のオペレーション改善・顧客体験の向上等につながっています。例えばJICAでは、バングラデシュの水道事業体CWASAに対して、DX戦略の策定支援を行い、それに基づくユースケースとして、水道メーターの読み取りアプリやマネジメントダッシュボードの導入、漏水・盗水等による無収水のモニタリング等の支援を行いました。これらの取り組みはCWASA従業員の業務負担削減、無収水率約20%削減、さらには異常検知の早期化による安定した水サービスの提供といったインパクトを創出することを目指し実施したものです。他にもタンザニアにおける水道事業体やインドのメトロ事業体のDXを支援しており、今後もさらに取り組みを拡充させていきます。