北岡理事長が米国を訪問:TICADVIや世界人道サミットに向け、国際機関や米国主要機関・シンクタンクとの連携の重要性を確認

2016年4月11日

北岡伸一理事長は4月4日から9日にかけて米国を訪問しました。

滞在中は、ニューヨークにおいて国連人道問題調整事務所(OCHA)オブライエン事務次長及びラドスース国連平和維持活動局(DPKO)長官、国連開発計画(UNDP)ゲトゥ副総裁、リュッケトフト国連総会議長に、ワシントンにおいては米国開発庁(USAID)スミス長官、世界銀行インドラワティ専務理事らと面談を行いました。また、ワシントンではブルッキングス研究所において講演を行いました。

北岡理事長は、各面談先において、持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)の確実な実施に向けて、2016年の重要イベントである世界人道サミット、日本が議長国を務めるG7、初のアフリカ開催となるTICAD VI等の機会を活用して発信を強化し、国際社会での認識も高めていくべきとのメッセージを伝えました。

OCHAのオブライエン事務次長とは5月の世界人道サミットに関し、仙台防災会議を踏まえた災害の事前投資の重要性及び紛争起因の人道危機と自然災害起因の危機について等しく重視しそれぞれの特徴を踏まえ発信していくことの重要性について、また、ラドスース国連DPKO長官とは、最近のPKO活動の状況と南スーダンにおけるODAとPKOの連携について意見交換しました。

また、ゲトゥUNDP副総裁からはUNDP改革について紹介されるとともに、SDGsの実践に向け、人道サミット及びTICAD VIでの一層の連携に対する期待が述べられました。リュッケトフト国連総会議長とは、次期国連事務総長選、安全保障理事会の改革と国連総会の役割等について意見交換しました。

スミスUSAID長官とは、3月4日に行われた日米開発対話、双方共通の関心事項である国際保健、アフリカ支援とTICAD VI、南スーダンやシリアにおける平和構築・難民支援や女性やビジネスの力を開発に生かす取組等について意見を交わしました。

世界銀行インドラワティ専務理事とは、5月の開催に向け調整中のJICA-世銀ハイレベル対話、4月のIMF世銀春季会合のテーマとなる「強制移住と開発(Forced Displacement and Development)」等について議論しました。北岡理事長は、17あるSDGsのエントリーポイントとして保健が重要であること、難民・国内避難民の増加は人道のみならず開発の問題であり、大きく影響を受けるホストコミュニティの支援が重要であり、人道支援機関と開発機関との連携が不可欠であること、またそれらに対するJICAの貢献について共有しました。

【画像】

UNDPゲトゥ副総裁、国連リュッケトフト総会議長、USAIDスミス長官、世銀インドラワティ専務理事と面談(写真左から)

また、北岡理事長は、4月7日にはブルッキングス研究所において、「不安定な地域において、いかに開発を実現するか(Securing Development in Insecure Places)」と題した公開イベントに出席し、基調講演を行うとともに、パネル討論に参加しました。

JICAは今後も国際機関や二国間ドナー、シンクタンクと連携していくことにより、開発効果の発現に努め、国際社会の発展に貢献していきます。