ケネディ駐日米国大使が二本松青年海外協力隊訓練所をご視察:JICAボランティア候補者と懇談

2016年6月8日

ケネディ大使(左)と北岡伸一JICA理事長(右)

6月7日(火)、ケネディ駐日米国大使が国際協力機構(JICA)二本松青年海外協力隊訓練所(福島県二本松市)を視察し、派遣に向けた訓練を行っているJICAボランティア候補者と交流しました。

ケネディ大使は、158名のボランティア候補者に向けて、私たちが抱えている問題は一国だけでは解決できず、皆さんで将来を築いていくことが大切であると述べるとともに、JICAボランティアが広い視野で考え、解決策を生みだし前進する道を切り開くことを期待している、と激励のメッセージをおくりました。

ボランティア候補者と歓談するケネディ大使(中央)

また、大使はフィリピン、ガーナ、マラウイ等に派遣予定の候補者と懇談し、参加の動機やこれまでのボランティア活動経験、帰国後のプランについて話を聞きました。懇談は和やかな雰囲気で行われ、懇談を終えた候補者からは、勇気をもって前進して、という大使の言葉が印象的だった、大使に背中を押された、など派遣に向けて決意を新たにする声がきかれました。

ボランティア候補者と歓談するケネディ大使(左)

ケネディ大使の父であるジョン・F・ケネディ元大統領が1961年に創設した米国平和部隊(Peace corps)は、ほぼ同じ時期(1965年)に発足した青年海外協力隊にも少なからぬ影響を与えました。大使は、米国平和部隊と同様、草の根レベルで途上国の経済・社会発展に取り組む青年海外協力隊を含むJICAボランティアに大変興味を持たれ、今回の視察と交流の実現に至りました。

今後、初等・中等教育、生活改善の分野などで、派遣中のボランティアを含め、日米のボランティアが連携・共働していくことが期待されています。

(参考)
米国平和部隊は1961年にケネディ大統領の大統領令によって創設された機関です。教育や保健、農業技術、地域開発などの分野で米国人ボランティアを派遣し、草の根レベルで途上国の経済発展と人々の生活向上をめざしています。

JICAボランティア事業は、JICAが日本政府のODA予算で実施する事業で、技術や豊富な経験を持った国民が開発途上国の人たちと生活を共にし、経済・社会の発展などに寄与することを支援するものです。2015年には青年海外協力隊発足50周年を迎えました。
青年海外協力隊は1965(昭和40)年の事業開始以来88カ国41,445名、シニア海外ボランティアは1990(平成2)年の開始以来73カ国5,933名を派遣してきました。(2016年3月31日現在)

■JICAと米国平和部隊との連携について
JICAは2015年3月19日、青年海外協力隊と米国政府の国際ボランティア派遣機関である米国平和部隊(Peace corps)との間で、ボランティア活動の効率性と効果を高めるための連携に関する覚書を締結しています。