北岡理事長が「日本−ラ米 ビジネスフォーラム」に登壇:中南米・カリブ地域(ラテンアメリカ地域)の持続可能な開発に向けたIDBとの戦略的パートナーシップと民間連携の重要性を強調

2016年11月2日

開会挨拶をおこなう北岡理事長

北岡伸一JICA理事長は、2016年11月1日、米州開発銀行(IDB)の主催で東京にて開催された「日本−ラ米 ビジネスフォーラム」に参加し、IDBルイス・アルベルト・モレノ総裁、財務省浅川財務官等と共に、開会挨拶を行いました。本フォーラムには日本及びラテンアメリカ諸国から官民の要人が多数参加し、両地域間のビジネス関係の強化に向けて議論を行いました。

北岡JICA理事長は挨拶の中で、ラテンアメリカ地域で民間投資への期待や高度な技術へのニーズが高まっている状況に触れ、同地域における開発事業へ日本企業が一層の関心を持ち参加してもらえるよう呼びかけ、JICAがそれを積極的に支援していくと強調しました。また、JICAは同地域において、日系人を含む重要なパートナーと連携し、日本の知見・技術を生かしながら、「質の高い成長」を推進するための経済基盤整備と、気候変動や防災等の地球規模課題への対応に重点的に取り組むと述べました。

加えて、入柿秀俊JICA理事が「質の高いインフラ投資」セッションに登壇し、インフラ投資における「質」の重要性を訴えました。事業における「安全」「環境・社会へのインパクト」「維持管理性」といった「質」に関する要素の考慮は、期待される開発効果の確保に重要である旨を説明しました。また、ラテンアメリカ地域における「質の高いインフラ投資」の推進に向けた取り組みとして、IDBとの再生可能エネルギーおよび省エネルギー分野向けの協調融資枠組み(Co-financing for Renewable Energy and Energy Efficiency: CORE)や官民連携(Public Private Partnership)案件の形成・実現を支援するための資金協力や技術協力の支援メニューを紹介しました。

JICAとIDBは主に気候変動対策、質の高いインフラ投資等、両機関共通の重点分野で協力しています。2016年4月には、協調融資枠組み(CORE)の目的に「質の高いインフラ投資」を新たに加え、同枠組みの運用を拡大しました。JICAは今後もIDB等の開発パートナーや民間企業などと共に、「質の高いインフラ投資」を通じた中南米地域の持続可能な開発に貢献していきます。