北岡理事長が「国際女性会議WAW!2016」に登壇:途上国におけるジェンダー平等と女性のエンパワメントの実現に向け、継続した支援の必要性を強調

2016年12月16日

2016年12月13日及び14日に、世界各地から政治リーダー、ビジネスリーダー、有識者を招き、女性の活躍促進のための方策を世界に発信することを目的とした「国際女性会議WAW!」(World Assembly for Women:WAW! 2016)が都内で開催されました。

北岡伸一JICA理事長は、14日「平和・安全保障における女性の参画とエンパワメント」をテーマとするハイレベル・ラウンドテーブル会合に登壇しました。同会合では、山中燁子・世界津波の日特別大使がモデレーターを務め、ジャニン・プラスハート・オランダ国防大臣、メラニー・バービア・ジョージタウン大学女性・平和・安全保障研究所所長らが参加し、平和・安全保障分野への女性の参画、リーダーシップ発揮に向けた具体的な方策について議論しました。

冒頭、北岡理事長からアフガニスタン女性警察官支援とフィリピン・ミンダナオにおけるバンサモロ支援の事例を紹介しつつ、国際社会で取り組む価値があると考えるJICAの経験として、次の3つを紹介しました。一つ目は、紛争中や紛争後、そして災害後に女性に対する様々な暴力の存在があり、それらに対応する警察官、特に女性警察官の人材育成が有効であること。二つ目は、コミュニティの貧困女性の社会的・経済的自立のために支援することが、紛争や災害からの復興過程の混沌とした社会を安定させるために有効であること。三つ目は、紛争後の安定した社会の構築や防災計画策定の際に、女性を含む多様なステークホルダーの視点を取り込むことが重要であること。また、これらの取組みを進める上で、男性を含め社会全体として、女性の役割に対して意識や理解を向上させることが重要と述べました。最後に、JICAは、平時でも、困難に直面しているときでも、途上国のジェンダー平等と女性のエンパワメントの実現に向け、引き続き支援を実施していくことを表明しました。

ハイレベル・ラウンドテーブルの結果は、最後の全体会合で概要と提言が共有されました。北岡理事長が登壇した「平和・安全保障における女性の参画とエンパワメント」に関しては、紛争下や災害リスク削減のため、女性・女児のニーズを最もよく理解し、知識や経験を有するコミュニティの女性の力が有効であること、特に紛争予防の観点で女性が鍵となる役割を果たす可能性を有していることなどが報告されました。

JICAは、本年の伊勢志摩サミットに先立ち発表された日本政府の「女性の活躍推進のための開発戦略」のもと、今後もジェンダー平等と女性のエンパワメントを開発における最重要課題の一つと位置づけ、具体的な成果に向けさらなる取り組みを続けていきます。

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