北岡理事長がモロッコを訪問:ベンキラン首相他要人との面談や事業現場の視察を通じ、モロッコとアフリカ地域の安定と成長に向けた協力関係強化を再確認

2017年1月19日

北岡伸一JICA理事長は、1月16日から17日にかけて、モロッコを訪問し、政府要人と面談したほか、円借款貸付契約の調印式への立会い、JICAの協力事業現場の視察、日系企業や他の開発援助機関との意見交換を行いました。

ベンキラン首相と面談する北岡理事長

アハヌッシュ農業・漁業海洋大臣と懇談する北岡理事長

1月16日、北岡理事長は首都ラバトにおいて、アブドゥリラ・ベンキラン首相、モハメッド・ブーサイド経済・財政大臣及びアジズ・アハヌッシュ農業・漁業海洋大臣と面会しました。北岡理事長は、中東・北アフリカ地域のみならず国際社会にとっても地政学的に重要な役割を果たすモロッコが、今後も安定と包摂的成長を継続できるよう、相互の協力関係を維持・強化することが重要と述べました。また、アフリカ地域の発展に向けて、サブサハラ・アフリカ諸国を対象とした三角(南南)協力(注)をモロッコとともに引き続き推進していきたい旨述べました。各要人からは、50年に及ぶJICAの協力に対する謝意とともに、モロッコの更なる発展に向けた支援への期待が表明されました。

また、水産資源管理能力の向上を目的にJICAと国立漁業研究所の間で署名された有償資金協力「海洋・漁業調査船建造事業」の貸付契約の調印式に、ブーサイド経済・財政大臣、黒川駐モロッコ日本大使とともに立ち会いました(関連リンク参照)。

円借款により整備した上水道施設を視察

ケニトラ農学研究地域センターにてJICAボランティアの活動実績について説明を受ける

翌17日、北岡理事長はラバト南東部に位置するケミセット市で、有償資金協力「地方都市上水道整備事業」で整備された上水道施設を訪問し、同施設が同地域の安定的な給水に貢献していることを確認しました。また、ラバト北西部に位置するケニトラ市にある農学研究地域センターでは、シニア海外ボランティアの活動を視察し、雑草防除を始めとする日本の農業分野での知見に対し、高い関心と期待が寄せられていることを確認しました。

このほか、北岡理事長はモロッコに拠点を構える日系企業、他の開発援助機関との間で、それぞれ民間連携、援助協調等の観点から意見交換を行いました。

JICAは、今後も技術協力、資金協力などを通じ、経済社会インフラや農水産業をはじめとした各分野への支援を行い、モロッコの発展と日・モロッコ関係の緊密化に貢献していきます。

(注):「三角(南南)協力」
ある分野において開発の進んだ途上国が、別の途上国の開発に協力し、先進国がそれを支援すること。