北岡理事長が南米初訪問:アルゼンチン、ブラジルにおける要人との面談や日系社会への訪問を通じ、南米地域との絆を再確認

2017年2月16日

アルゼンチン共和国 ミケティ副大統領と面談する北岡理事長

北岡伸一JICA理事長は、2月5日から13日にかけてアルゼンチン、ブラジルを訪問し、両国要人と開発戦略や協力方針について意見交換を行うとともに、両国の日系社会やJICAの協力現場を視察しました。

最初の訪問地アルゼンチンにおいては、2015年12月に発足した現マクリ政権の開放的な経済政策により、日本や他の欧米諸国の企業進出、投資促進が大きく期待されています。北岡理事長は、日本企業やアルゼンチンの経済団体等と連携し、カイゼン(注1)を活用して企業の生産性向上や人材育成を支援することを表明。ガブリエラ・ミケティ副大統領をはじめとする政府要人から高い期待が表明されました。

国家統合大臣から国家市民防御勲章を受章した北岡理事長

次に訪問したブラジルでは、2016年のミシェル・テメル大統領の就任後、外交・政治・経済の安定に向けた政策が次々と打ち出されています。北岡理事長はエルデル・バルバーリョ国家統合大臣やマルコス・ベゼーハ・アボッチ・ガウヴァオン外務次官等の政府要人との面談において、国際場裏における日伯の協力が重要であるとの認識を共有、両国の相互理解をさらに促進するために、人材交流を一層深めていくことが重要である点について合意しました。

また、バルバーリョ国家統合大臣からは、JICAのこれまでの防災を主とする協力の成果に対し国家市民防御勲章(注2)が北岡理事長に授与されました。

ブラジル北部に位置するトメアス第二移住地を訪問し、日系人と意見交換

今回の訪問においては、アルゼンチン約6万5千人、ブラジル約191万人といわれる日系社会を訪問することも目的の一つでした。両国の日系社会は、現地社会に深く根付いており、経済活動で重要な役割を果たすとともに政財界にも多くの人材を輩出しています。JICAは日系社会との連携を重視し、同社会の課題である高齢化に伴う医療・福祉面の充実や、日系社会の人材育成に取り組んでいます(注3)。

北岡理事長は、両国でJICAの日系社会支援の現場視察や日系社会代表者との懇談を行ったほか、ブラジルにおいては、同国北部に位置するトメアス第二移住地(注4)を訪問。日系社会との新たなパートナーシップ構築の一歩を踏み出しました。

(注1)製造業の生産現場で行われている作業の見直し活動。 作業効率の向上や安全性の確保などに関して、現場の作業者が中心となって知恵を出し合い、ボトムアップで問題解決を図るもの。

(注2)ブラジル大統領令によって制定された防災、市民防御分野における重要な活動や業績を果たした国内外の者(人、機関、組織等)を対象とした最高位の国家勲章。

(注3)JICAは、前身である海外移住事業団から継続し、中南米などへの移住者・日系人支援、日系社会との協力・連携強化に取り組んでいる。

(注4)JICAを含む日本の移住支援機関が直営で土地や生活基盤の整備・管理を行った日本人移民の移住地の一つ。

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