北岡理事長がインドネシア、東ティモールを訪問:大統領ほか政府要人と面談したほか、ASEAN50周年記念セミナーで基調講演を実施

2017年8月1日

ジョコ・ウィドド大統領との面談後のプレスコンファレンス(左側:スリ財務大臣、中央:北岡理事長、右側:プラモノ官房長官

北岡伸一JICA理事長は、7月24日から30日にかけてインドネシア、東ティモールを訪問し、両国政府要人と開発課題や今後の協力の方向性について意見交換を行いました。インドネシアでは、ASEAN 50周年記念セミナー(ASEAN日本政府代表部、インドネシア戦略国際問題研究センター(CSIS)共催)において基調講演を行いました。

7月26日、北岡理事長はジョコ・ウィドド大統領と面談し、インフラ開発に加え、地方開発・社会開発、海上保安分野を含めたバランスのある協力を一層進める旨述べました。両者は、ジャカルタ都市高速鉄道事業、首都圏東部新港開発、ジャワ島北幹線鉄道高速化の3案件につき、双方の努力により引き続き迅速に進めていくことで一致しました。

また、バンバン・ブロジョヌゴロ国家開発計画大臣、ルフット・ビンサルパンジャイタン海洋担当調整大臣、スリ・ムルヤニ財務大臣、スシ・プジアストゥティ海洋・水産大臣、モハマド・バスキ・ハディム・ルヨノ公共事業・国民住宅大臣との間でも、重要課題につき協議しました。

インドネシアは、その人口・経済・国土の規模、世界最大のイスラム人口を抱えていることや、日本にとっての地理的・歴史的関係等を踏まえれば、日本にとって極めて重要なパートナーです。JICAは、今回の理事長訪問を契機に、インドネシアとの信頼関係をさらに強固なものにしていきます。

同日、ASEAN 50周年記念セミナーで基調講演を行いました。この中で北岡理事長は、ASEAN創設50周年に祝意を述べるとともに、ASEANが今後も自由で開かれた地域として一体性を維持しつつ、普遍的価値、国際秩序を支える地域共同体へと成長、発展していくことへの期待を述べました。JICAは今後もASEANの発展に向けて協力をしていきます。

フランシスコ・グテレス・ル・オロ大統領と北岡理事長

続いて北岡理事長は、JICA理事長として初めて東ティモールを訪問しました。東ティモールにとっても、今年は独立から15周年にあたり、2012年の国連撤退後初となる大統領選挙を3月に、国民議会議員選挙を理事長訪問直前の7月22日に平和裡に実施するなど、記念となる年でした。

北岡理事長は、7月28日にフランシスコ・グテレス・ル・オロ大統領と面談しました。大統領からは、東ティモール独立前の1999年から今日に至るJICAの協力に対する感謝と、今後の継続的な支援に対する期待が示されました。北岡理事長は、JICAは東ティモールにおける平和で安定的な国づくりに向けた継続的な支援を実施していく旨を述べました。両者は、インフラ整備や産業の多角化、人材育成、教育・保健分野が国づくりにおいて重要であることを確認しました。また、ルイ・マリア・デ・アラウジョ首相、タウル・マタン・ルアク前大統領、ジョゼ・ラモス=ホルタ元大統領とも面談し、東ティモールの開発戦略にかかる意見交換を通して、今後の協力の方向性について確認しました。

東ティモール国立大学工学部を視察

このほか北岡理事長は、日本が長年にわたって支援する東ティモール国立大学工学部を訪問。そこでは、フランシスコ・ミゲル・マーティン学長等から説明を受け、日本の協力が東ティモールにおける高等教育の発展及び産業人材の育成に貢献していることを確認しました。また、東ティモールラジオテレビ局と観光ホスピタリティスクールを訪問しカウンターパートの信頼を得て活動している青年海外協力隊員を激励しました。

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