北岡理事長がタンザニア、ウガンダを訪問:地域の安定に多大な貢献を果たす両国への協力の意義を再確認

2017年8月28日

マグフリ大統領との面談

北岡伸一JICA理事長は、8月20日から26日にかけてタンザニア、ウガンダを訪問し、両国政府要人との会談を行うとともに、ODA事業の現場を視察しました。

最初の訪問地であるタンザニアは、1961年の独立以来安定した内政を維持し、内陸諸国にとってのインド洋へのゲートウェイとなっており、東部アフリカ地域の要となる国の一つです。過去10年の経済成長率が約7%で推移する等、サブ・サハラ・アフリカ地域の中でも特に高い経済成長を遂げており、日本企業を含む民間企業の関心が高まっています。

8月21日に北岡理事長はジョン・ポンベ・ヨセフ・マグフリ大統領と面談し、マグフリ大統領から、インフラ分野をはじめとするこれまでのJICAによる協力への謝意及び今後の協力について期待が表明されました。北岡理事長からは人材育成の重要性について言及すると共に、幅広い重要課題について協議を行いました。

ザンジバル農業・天然資源・家畜・漁業大臣、魚市場関係者との面談

22日にはフィリップ・ムパンゴ財務計画大臣とも面談し、ムパンゴ大臣より1960年代以降の農業・電力・運輸交通・ガバナンス・都市給水等へのJICAによる協力への謝意及び今後も幅広い分野におけるJICAからの協力について期待が表明されました。それに対し北岡理事長からは、これまでの保健・農業・人材育成関係の取り組みを紹介しました。その後、同国最大の都市ダルエスサラーム市内において、無償資金協力により整備中のタザラ交差点、技術協力プロジェクト及び青年海外協力隊の活動先であるムヒンビリ国立病院、無償資金協力により改修予定のザンジバル・マリンディ港魚市場等の視察を行いました。

続いて北岡理事長は、ウガンダを訪問しました。ウガンダ政府は従来から難民に対して土地の提供や移動の自由を確保するなど、寛容な難民支援政策を進めています。現在、世界最大規模の130万人の難民を受け入れていますが、難民が増加するにつれ、受け入れ地域やホストコミュニティの負担も高まっています。

24日には南スーダン難民の影響を受けるウガンダ北部の西ナイル地域を訪問し、レク・タイタス県議会議長、マウェジウェ・アンドリュー県知事らと面談しました。同議長や知事らから西ナイル地域の難民流入の現状や、難民・ホストコミュニティ双方に多大な役割を果たす地方行政を強化する技術協力「アチョリ・西ナイル地域コミュニティ・レジリエンス強化のための地方行政能力向上プロジェクト」の進捗状況について説明を受けました。

北部難民支援現場の稲作研修のデモファームにて種まきを実施

その後、およそ4,500人の難民を受け入れるミリエイ難民居住区を訪問し、難民の生活状況について視察をしたのち、技術協力「コメ振興プロジェクト」の展示圃場を訪問し、難民・ホストコミュニティ支援の一環として実施している稲作研修の現場を視察しました。

ルグンダ首相・北岡理事長面談

また、視察後、北岡理事長はルハカナ・ルグンダ首相と面談しました。北岡理事長は、ウガンダ政府の積極的な難民支援政策に敬意を表するとともに、JICAとしても支援を拡充していくことを伝えました。同首相からは、インフラ、コメ振興等、日本の質の高い協力を高く評価するとともに信頼を寄せているとの言葉を受けました。また、難民支援に対する我が国政府の支援に対しての感謝の念が伝えられました。25日には、カサイジャ・マティア財務・計画・経済開発大臣とも面談し、今後のJICA事業の展開について意見交換を行いました。

JICAは、今回の理事長訪問を契機に、地域の安定に多大なる貢献を果たすタンザニア、ウガンダ両国との信頼関係をさらに強固なものにしていきます。