北岡理事長が英国を訪問:政府関係者との会談の他、王立国際問題研究所主催のセミナーに登壇

2018年1月26日

チャタムハウスで講演する北岡理事長

北岡伸一JICA理事長は、1月21日から24日にかけて英国を訪問し、英国政府の開発援助関係者や有識者と会談したほか、同国シンクタンクの王立国際問題研究所(チャタム・ハウス)主催のセミナーにおいて、インド太平洋地域における日本のODAの役割について議論しました。

ダイアーDFID副次官と北岡理事長

北岡理事長は1月22日にニック・ダイアー英国国際開発省(DFID)副次官と面談。新興ドナーが役割を増す状況下での国際協力の共通規範作りの重要性、民間セクターとの連携の必要性のほか、栄養、障害者支援等の分野での両機関の連携の可能性について意見交換を行いました。また、マルコム・チャルマーズ英国王立防衛安全保障研究所(RUSI)副所長及びダナ・アリン国際戦略研究所(IISS)シニアフェローとも面談し、開発と安全保障の関係について意見交換を行いました。

1月23日、王立国際問題研究所(チャタム・ハウス)主催のセミナーに登壇した北岡理事長は、インド太平洋地域においてJICAが推進する支援について講演しました。講演では、日本政府が掲げる「自由で開かれたインド太平洋戦略」に触れつつ、当該地域でのJICAの具体的な活動事例として、インド・デリーメトロ等の「インフラ整備を通した社会の発展」、東南アジアを中心とした「海上保安」、「食と栄養のアフリカ・イニシアチブ(IFNA)」、フィリピン・ミンダナオやミャンマー等の「平和構築や難民危機への対応」、ネパール等での「災害後の復旧・復興支援や防災」を紹介し、当該地域の発展へのJICAの貢献を示しました。

参加した英国の有識者からは、米国、インド、中国等との関係や、JICAの南スーダンでの貢献について質問があったほか、「日本が開かれた国際社会の発展に貢献することは非常に有意義」等の意見が述べられる等、活発な討論が行われました。その後、チャタム・ハウスのアダム・ワード副所長と面談し、英国のEU離脱に象徴される国際社会の不確実性への対応、ロシアや中国との関係、その中での日本のODAの役割、英国とJICAの援助の違い等について意見交換を行いました。