北岡理事長がコロンビア、コスタリカ、メキシコを訪問:政府要人との会談やODA事業現場の視察を通じ、日本の協力の成果と各国との信頼関係の重要性を再確認

2018年11月21日

北岡伸一JICA理事長は、11月1日から11月10日にかけて、コロンビア、コスタリカ、メキシコを訪れ、各国の政府要人との会談やODA事業の現場視察を行いました。

1.コロンビア

国際地雷除去センターにおける地雷探知訓練の様子

北岡理事長は、首都ボゴタでカルロス・トゥルヒージョ外務大臣、ディアナ・アバウンサ国防副大臣と会談しました。北岡理事長から、日本と中南米諸国がともに学び合いながら関係をより一層深化させていくことが重要であり、また、半世紀以上に亘る国内紛争の終結に向けたコロンビア政府の平和構築の取り組みに引き続き協力していく旨を述べました。先方からは、JICAの長年の協力への謝意とともに、経済成長や平和構築という現政権の目標達成のために日本の発展経験の共有も含めた継続的なJICAからの協力への期待が表明されました。

また、北岡理事長はボゴタの南西に位置する国際地雷除去センターにて、JICAの技術協力を通じて地雷除去に関する人材育成が行われている現場の様子を視察し、その成果を確認しました。

2.コスタリカ

アルバラード大統領(左)との面談

北岡理事長は、カルロス・アルバラード大統領と会談し、同大統領より、温室効果ガスの純排出を将来的にゼロとする「カーボン・ニュートラル」の実現のための取り組みが紹介されました。両国は民主主義の価値と、気候変動対策への取り組みを共有する国であり、今後も協力関係を深めていくことを双方で確認しました。

カルロス・マヌエル・ロドリゲス環境エネルギー大臣との会談では、気候変動対策の推進に向け、両国が協力して他国への働きかけや経験の共有を行っていくことの意義と重要性を共有しました。

3.メキシコ

北岡理事長は、日本企業を含めた自動車産業の集積地域であるケレタロ州を訪れ、人材育成とサプライチェーンを担う中小企業の強化が課題となる中、JICAの技術協力により自動車コースを設置した技術高校や現地企業等を視察し、取り組み状況及び協力の成果を確認しました。

ビデガライ外務大臣及びガルシア=ロペス国際協力庁長官との会談では、三角協力など事業面での更なる連携を図っていくことに合意しました。更に、両国の深い歴史を共有しつつ、TPPや気候変動対策等の分野に見られるように、民主主義や国際協調の推進など国際場裏におけるパートナーシップの重要性を確認しました。

北岡理事長講演の様子

また、メキシコ外務省とJICAの共催イベントにおいて、北岡理事長は「日本の近代化とメキシコ」についての講演を行い、日本研究などに携わる学者や官僚、日系人など約150名の聴衆に対し、これまでの両国の400年の歴史及びその意義に触れつつ、「信頼」に基づき更なる協力を続けていく旨を伝えました。

更に、日墨会館や移住の歴史を伝える日本人メキシコ移住あかね記念館を訪問し、日墨協会の和久井会長等と会談しました。日系社会の維持発展にとって、移住の歴史を残すこと、日系人が集まれる場所を確保することの重要性を確認しました。

JICAは、今回の理事長訪問を契機に、今後もコロンビア、コスタリカ、メキシコの経済発展と関係強化に一層貢献していきます。