北岡理事長が南スーダンを訪問:政府要人との会談やODA事業現場の視察を通じ、日本の協力の成果と南スーダンに対する平和促進支援及び開発協力の重要性を再確認

2019年1月31日

北岡伸一JICA理事長は、1月25日から1月27日にかけて南スーダンを訪れ、政府要人との会談やODA事業の現場視察を行いました。

キール大統領との面談

北岡理事長は、首都ジュバでキール大統領、ニアル・デン外務・国際協力大臣、レベッカ道路・橋梁大臣、オニョティ農業・食料安全保障大臣(水資源・灌漑大臣代行)と会談しました。


キール大統領との面談後の集合写真

北岡理事長から、2016年7月に退避したJICA邦人関係者のジュバ常駐再開や工事中断中の無償資金協力の現場保全に対する南スーダン政府の協力に謝辞を述べました。また、2018年9月に合意された「再活性された衝突解決合意(R-ARCSS)」を歓迎するとともに、南スーダンの平和と安定がアフリカ地域の開発にとって非常に重要であることを述べ、双方で協力していくことを確認しました。

オニョティ農業・食料安全保障大臣(水資源・灌漑大臣代行)との面談後の記者会見

先方からは、JICAの長年の協力への謝意とともに、無償資金協力により支援中のナイル架橋(Freedom Bridge)やジュバ水供給施設の早期完成への期待が述べられました。

第4回「国民結束の日」開会式でのスピーチの様子

また、北岡理事長は、JICAがジュバで開催を支援している全国スポーツ大会「第4回国民結束の日(National Unity Day)」の開会式に参加しました。

「国民結束の日」は2016年1月の第1回大会よりJICAが継続的に協力しているもので、開会式には、イッガ副大統領、ホッチ一般教育指導大臣(文化・青年・スポーツ大臣代行)など南スーダン政府関係者に加え、同大会を共に支援する国連南スーダン共和国ミッション(UNMISS)、国連開発計画(UNDP)の代表者等が出席し、スポーツを通じた平和促進の重要性や意義を確認しました。

イッガ副大統領によるU23サッカー公開試合キックイン

開会式のスピーチで北岡理事長は、公平性や多様性の受容、一体感など、国の発展に不可欠な要素を共有しあう意義・重要性を強調しました。また、全ての選手・参加者が主役となり、大会開催後も「平和大使」として、南スーダンの平和と発展に向けた役割を果たしてほしいとの強い期待を伝えました。

イッガ副大統領は、JICAの「国民結束の日」開催への協力に対する謝意とともに、法の統治と人権を尊重し、南スーダンが自由で生きがいのある国となるよう共に努力しようと参加した選手や観客に呼びかけました。

レベッカ道路・橋梁大臣とともにFreedom Bridgeの視察

北岡理事長は、2016年7月に南スーダン国内で発生した政府・反政府間の衝突以降、工事を中断しているナイル架橋(Freedom Bridge)の事業現場を、レベッカ道路・橋梁大臣とともに視察しました。事業の再開・完成を南スーダン国民全員が待ち望んでいるとの南スーダン政府関係者からの説明を受け、将来の南スーダンの平和と安定や国造りのためには、人道支援だけでなく、ナイル架橋等の開発事業が不可欠であり、早期の再開・完成に向け共に努力したい旨表明しました。

JICAは、今回の理事長訪問を契機に、今後も南スーダンの平和と安定、経済発展と関係強化に一層貢献していきます。