田中理事長が南スーダンを訪問(その2)

−スーダンおよび南スーダン地域の平和と安定に向け、支援拡大を表明−

2013年4月25日

田中明彦JICA理事長は、4月22日から23日にかけて、南スーダンの首都ジュバでサルバ・キール大統領、マシャール副大統領をはじめとする要人と会談を行いました。

サルバ・キール大統領(右)と握手を交わす田中理事長

1)サルバ・キール大統領との会談では、昨今のスーダン・南スーダン和平交渉の進展(注1)を受け、今後の南スーダンの国家戦略について意見を交わしました。その中で田中理事長は、地下資源収入を産業の多様化のために投資し、堅実な経済開発を推進することへの期待を示しました。また、JICAが2006年(注2)から実施していたインフラ整備、農業開発計画策定のプロジェクトへの協力を今後も継続することを伝えました。サルバ・キール大統領からは、これまでのJICAの協力に対する謝意とともに、今後実施されるナイル架橋建設計画に強い期待が示されました。また、スーダン・南スーダンの相互依存の重要性が強調され、今後の平和の維持・安定への強い決意が表明されました。

2)マシャール副大統領との会談では、副大統領より日本のインフラ整備および農業分野への協力が高く評価され、このような協力の継続要望が伝えられました。

3)訪日経験が豊富で知日派のベンジャミン情報・放送大臣との会談では、これまでの日本の協力が実用的であるなど、高い評価が示されるとともに、民間セクターなども含めた二国間関係強化の重要性について意見が交わされました。

田中理事長は、南スーダンでの視察、会談を終え、4月23日に次の訪問地であるスーダンの首都ハルツームに向かいました。


(注1)2012年9月に締結された和平合意は一時継続が危ぶまれたが、2013年3月には実行計画の合意、4月12日にはスーダンのバシール大統領がジュバを訪問するなど、急速に進展しつつある。
(注2)JICAは、2005年の南北和平合意を受け、南スーダン独立(2011年7月9日)以前から協力を開始している。