田中理事長がミャンマー「工学教育拡充プロジェクト」開始式典に出席

−ミャンマーのインフラ・産業開発を担う工学系人材育成に向けて−

2013年10月8日

田中明彦JICA理事長は、10月4日、ミャンマーのヤンゴン市内にあるヤンゴン工科大学にて行われた、「工学教育拡充プロジェクト」の開始式典に出席しました。

開始式典に臨む田中理事長(右から7人目)

ミャンマーでは2011年のテイン・セイン大統領の就任後、急速に民主化・経済改革が進められており、日本企業を含む外国資本の参入も得ながら、インフラ・産業開発も急速に進展しつつあります。他方で、これを支える実践的な専門的知識と技術を持った工学系の人材不足が大きな課題となっています。この背景には、長期間続いた大学への予算配分不足や大学閉鎖の影響から、大学において実験実習や研究活動がほとんど行われず、暗記中心の教育が行われてきたことなどがあります。

こうした状況を改善するため、JICAは、ミャンマーのインフラ・産業開発を担う工学系人材の育成を目的に、同国の工科系トップ大学であるヤンゴン工科大学と、マンダレー工科大学を対象とした技術協力プロジェクト「工学教育拡充プロジェクト」を10月から開始し、両大学での実践的な学部教育の整備や研究能力の強化を支援します。

本プロジェクトには、日本の京都大学、千葉大学、新潟大学、金沢大学、岡山大学、長崎大学、熊本大学の7大学が支援大学として参加し、教員の現地派遣による教育内容・手法の改善や研究の指導、ミャンマー側教員の日本での博士号取得や短期研修などの支援を行う予定です。

プロジェクトの開始式典には、日本側からは本邦支援大学7校の学長・副学長等、ミャンマー側からは科学技術大臣、ヤンゴン工科大学・マンダレー工科大学の学長や学生等(総勢約250人)が参加しました。田中理事長はスピーチの中で、日本の経験を例に、ミャンマーの社会・経済を発展させる絶好の機会を生かすためには、工学系人材育成が重要であることを強調しました。