秋田大学とJICAが資源分野の戦略的連携合意書を締結

−開発途上国の資源人材育成に向けた協力へ−

2013年11月20日

署名式を終えた、吉村昇秋田大学学長(右)と田中理事長

国立大学法人秋田大学と国際協力機構(JICA)は11月19日、資源分野の戦略的連携合意書を締結しました。秋田大学は同分野で、わが国有数の伝統を誇る大学であり、国際社会に通用する人材の育成に力を注いでいます。また、二国間国際協力を担うJICAは、開発途上国向け人材育成支援において、資源分野でもその支援に取り組んでおり、両者が連携する意義は大きいものといえます。秋田市内のホテルで行われた署名式には、吉村昇秋田大学学長と田中明彦JICA理事長が出席しました。JICAが大学との連携文書を締結するのは27例目、資源分野で初めて、東北6県でも初めてとなります。

秋田大学は、わが国において、資源分野で体系的な教育を行う数少ない高等教育機関です。また、同分野で国際的に活躍できる人材を育成するため、平成26年度より新たに国際資源学部を開設予定です。これまでアフリカのボツワナをはじめとする資源保有国の大学等に対し、資源開発の能力向上を支援するなど、独自、かつ積極的に活動を展開しています。JICAは、途上国に対して資源情報の整備や開発戦略の策定等の支援を続けてきました。しかし、これまでの資源分野における協力では、技術指導に当たる日本人専門家の確保が容易ではありませんでした。

今回の連携合意書締結により、資源分野の国際協力において、秋田大学とJICA双方の長所を生かした効果的な事業実施が期待されています。

また、本連携合意書の下、秋田大学とJICAは、連携強化を図り、開発途上国における持続可能な資源開発と、社会経済の発展が促進される協力に取り組み、国際社会への鉱物資源の安定供給に貢献します。さらに、日本と途上国との関係強化、わが国の資源確保にも寄与する知日派・親日派人材の育成を進めて参ります。具体的には、以下のような取り組みを目指しています。

1. 秋田大学大学院生をJICAでインターンとして受入れる、ボランティア(青年海外協力隊)として派遣する等、秋田大学における資源分野におけるグローバル人材の育成事業とJICA事業の連携
2. 秋田大学によるJICA研修員受入れ等を通じた途上国行政官、大学教官の育成
3. 秋田大学教職員等のJICA調査団への参加、JICAの国際協力プロジェクト形成支援
4. 途上国の資源分野の大学における教員養成、カリキュラム改善等の能力強化
5. 秋田大学における連携講座等へのJICAからの講師派遣、セミナー・シンポジウム等の後援
6. 秋田大学関係者のJICAボランティア事業への参加促進と国民参加型事業への協力

署名式において、田中理事長は、「世界が直面する新たな課題に対しては、新しい学術研究との協力が重要である」と述べ、資源分野の世界的な教育・研究機関を目指す秋田大学との連携に期待を表明しました。

吉村学長は、「2014年度に国際資源学部を新設することにより、秋田大学は人材育成の面から日本の資源外交の一翼を担うことになる。JICAとの連携を出発点として、オールJAPANの体制に協力していきたい」と述べました。

本連携合意書の締結は、秋田大学とJICAの間で連携を強化するだけでなく、大学を中心に秋田県における国際協力活動を一層推進し、県のグローバル化や発展にも寄与することが期待されています。