2014年 田中明彦理事長の職員向け年頭メッセージ

2014年1月7日、JICA職員向けに田中理事長が年頭挨拶を行いました。

同理事長は、2012年4月に理事長に就任して以来の「世界を元気にすることで日本も元気にする国際協力」を進め、そのための「強いJICA」を実現するという目標に変わりはない、とした上で、今年は、JICAのビジョンである「Inclusive and Dynamic Development(すべての人々が恩恵を受ける、ダイナミックな開発)」を踏まえ、「ダイナミックな事業展開」を進めるとのメッセージを打ち出しました。

更に、「ダイナミックな事業展開」のためには、3つの力が必要であるとしました。即ち、(1)民間企業、地方自治体、大学、市民社会を始め様々なパートナー、関係者と、より密接に連携・協力しつつ、従来のやり方や考え方に囚われない、創造的で想像力豊かな取り組みを進める「創造力・想像力」、(2)災害・危機に俊敏に対応し、また機会を逃さずに掴み、また迅速に対外発信する「瞬発力」、(3)長期の視点から着実に事業を行い、相手国やパートナーとの信頼関係を培う「持続力」という3つの力をそれぞれ発揮するよう求めました。

また、挨拶では、2014年は「国際協力60周年」、人間でいえば還暦にあたる節目の年であると述べました。今年から来年にかけては、国連のミレニアム開発目標(MDGs)達成に向けた取組みの加速化が求められ、2015年を達成期限とする現行MDGsを見直す「ポスト2015」の枠組みの議論は大詰めを迎えること、更には、第3回世界防災会議の仙台開催、TICAD V(第5回アフリカ開発会議)や日・ASEAN首脳会議のフォローアップなど、国際援助潮流という観点でも大変重要な時期である認識を示しました。また、日本国内、特に経済界からは、インフラシステム輸出戦略、中小企業海外展開支援、海外投融資などによる民間連携への期待が、これまでになく高まっていることを改めて指摘しました。

その上で、こうした課題・期待に対応するために、職員がダイナミックに事業を展開し、更には世界の開発協力のビジョンやルール作りにも貢献していくよう、訓示しました。

以上