ミンダナオ和平 包括和平合意の署名

−紛争影響地域の平和の定着に向けて−

2014年3月28日

マラカニアン宮殿で行われた包括和平合意署名式の様子

アキノ大統領(右)と田中理事長(注2)

ムラドMILF議長(左)と田中理事長(注3)

3月27日、マニラのマラカニアン宮殿にて、フィリピンのアキノ大統領、モロ・イスラム解放戦線(MILF)のムラド議長、および和平交渉の仲介役を務めたマレーシアよりナジブ首相の立会いの下、フィリピン政府・MILF双方の和平交渉団長によるミンダナオ包括和平合意文書への署名が行われました。日本側は、卜部大使らに加え、国際協力機構(JICA)からは田中明彦理事長が立会人として出席しました。

また、田中理事長は翌28日にアキノ大統領とムラド議長と個別に面談し、和平定着における課題や今後の支援のあり方について、意見交換を行いました(注1)。

今回の包括和平合意は、新たな自治政府である「バンサモロ自治政府」が2016年に発足すること、またその基本的な枠組みを定めるものです。

日本政府は、2006年以来、和平交渉のプロセスに貢献してきました。また、JICAはこれまでに、フィリピン・ミンダナオ国際監視団(IMT)の社会経済開発部門への職員派遣に加え、和平後を見据えた開発の担い手育成、コミュニティ開発、和平関係者の意見交換の場づくり等を通じて、ミンダナオ紛争影響地域への支援に取り組んできました。

新自治政府発足に向けた移行プロセスが今後開始される予定ですが、JICAはこれまでの経験を生かし、バンサモロ地域が発展し人々の暮らしが安定するために、新しい「バンサモロ自治政府」のあり方について現地の人々と共に考えながら、生計向上や中長期的な地域開発のための支援に取り組んでいきたいと考えています。

(注1、注3)2014年3月28日15時追記。
(注2)2014年3月28日18時30分追記。