田中理事長がソロモンを訪問

2014年5月9日

田中明彦JICA理事長は、バヌアツに引き続き、5月6日から8日にかけて大洋州のソロモンを訪問し、同国政府要人等と意見交換を行うとともに、ソロモンにおけるJICA事業の視察を行いました。

1)5月7日、田中理事長は、ソロモン諸島の首都ホニアラでリロ首相を表敬しました。冒頭、田中理事長から、先月上旬に首都ホニアラがあるガダルカナル島において、暴風雨に伴う河川氾濫により大規模な被害が発生したことについて、お見舞いの言葉を伝えました。また、今後のJICA事業についての意見交換では、河川氾濫のため被災した空港と、ホニアラの中心部を結ぶ場所にある橋梁の復旧を含めた、道路整備支援の検討を加速する必要性が触れられました。

リロ首相(左)との合同記者会見を行う田中理事長

2)意見交換後のリロ首相と田中理事長による合同記者会見では、冒頭、田中理事長は、河川氾濫被害に対するお見舞い、そして橋梁復旧の支援方針に言及するとともに、大洋州全体に対するJICAの支援の方向性を説明しました。具体的には、貴重な地球公共財としての太平洋を共有している大洋州諸国との間で、国際社会において共に働く重要なパートナーとして関係強化を図っていきたいとの考えの下、大洋州で日本が比較優位を持つ四つの分野「環境保全」「防災・気候変動対策」「経済活動基盤の強化/ライフラインの維持」「社会サービスの向上」に対して支援を行っていくことを述べました。

3)続いて、田中理事長は、無償資金協力事業「防災ラジオ放送網改善計画」で整備された送信局舎を訪問しました。ソロモン側関係者から、先月上旬の河川氾濫発生時にも同計画で整備された機材が有効に活用され、災害に関する情報が迅速かつ正確に伝達されたとの説明を受け、適切に機材が稼働している状況を確認しました。

送信局舎施設を視察する田中理事長(左)

4)また、田中理事長は滞在中、IMF、世銀、ADB、EU、オーストラリア、ニュージーランドなどの開発パートナーとも、今後の対大洋州支援等についての意見交換を行い、引き続き連携した協力を展開していくことの必要性を確認しました。さらに、保健クリニックで生活習慣病対策のための栄養指導を行う青年海外協力隊員の活動を視察するなど、ホニアラで活動しているJICA専門家およびボランティア関係者等との意見交換も行いました。

5月8日、ソロモン諸島滞在の最終日、田中理事長は戦没者慰霊碑を訪問し、供花を捧げた上で将来の平和を祈念し、帰途につきました。