田中理事長がヨルダンを訪問−日ヨルダン国交樹立60周年、経済協力開始40周年の節目に−

−日ヨルダン国交樹立60周年、経済協力開始40周年の節目に−

2014年7月22日

田中明彦JICA理事長は、モロッコ、チュニジアに引き続き、7月18日から20日にかけてヨルダンを訪問しました。滞在中はヌスール首相をはじめとする要人との面談を行ったほか、同国におけるJICA事業の視察等を行いました。

ヌスール首相(右)と田中理事長

7月19日、田中理事長は、ヨルダンの首都アンマンでヌスール首相を表敬しました。冒頭、田中理事長は、パレスチナ、イラク、シリア等に囲まれたヨルダンが、中東地域の安定のために果たす役割の重要性について触れ、JICAとしても、引き続き同地域の安定や、ヨルダン政府と難民を受け入れているホストコミュニティの負担軽減のために、北部地域の水セクターの既存施設の整備・改修等可能な支援を実施・検討していくことを表明しました。また、日本の円借款事業によって建設された国立博物館が本年9月にオープンすることについて、歓迎の意を表しました。

シリア難民キャンプ内青年海外協力隊の活動現場

ヌスール首相との会談後、田中理事長は、ヨルダン国内のシリア難民キャンプ(ザアタリ)およびパレスチナ難民キャンプ(バカア)を訪問しました。シリア難民キャンプでは、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)ハーパー・ヨルダン代表からシリア難民を取り巻く状況について説明を受けた後、音楽や美術、スポーツ等を通じて、難民の子供たちへの支援を行っている青年海外協力隊の活動現場を視察しました。また、パレスチナ難民キャンプでは、難民の女性たちの生計向上を目指すプロジェクトを視察し、家庭内で作った香水を販売することで収入の向上につなげている女性の自宅を訪問しました。

続く20日のトゥーカン財務大臣およびハラブシェ計画・国際協力省次官との会談では、本年3月に世界銀行との協調融資で「財政強化型開発政策借款」(120億円)を供与したことに触れたのに対し、先方からは本開発政策借款の目標の一つでもあるスクーク(イスラム金融に則った債券)発行に関し、支援の依頼がありました。

ハラブシェ計画・国際協力省次官との会談後、田中理事長は、日ヨルダン国交樹立60周年、経済協力開始40周年を記念し、同次官と共同記者会見を行いました。記者会見では、これまでのJICAの対ヨルダン支援を総括する共同プレスリリースを発表し、ヨルダン国内に向けて日本の貢献を広く発信しました。

そのほか、田中理事長は滞在中、専門家およびボランティアと現場での活動状況について意見交換を行い、20日帰途につきました。