田中理事長がUN-ESCAPのアクタール事務局長と会談

2014年7月25日

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田中理事長とアクタール事務局長(右)

田中明彦JICA理事長は、7月23日、来日中の国連アジア太平洋経済社会委員会(UN-ESCAP)(注)のシャムシャド・アクタール事務局長とJICA本部(東京都千代田区)で会談しました。JICAとESCAPは、これまでさまざまな場でアジア太平洋地域の開発課題について意見交換を行っています。

アクタール事務局長は、ESCAPでは地域連結性の強化に力を入れており、ICT整備や人的交流などで多面的に取り組んでいるところであり、2015年にASEAN経済共同体設立を控えた東南アジアだけでなく、中央アジアや南アジアでも地域連結性を強化したいと語りました。

これに対し田中理事長は、地域の連結性強化に関しては、現時点では特にASEAN地域で協力を推進しているが、今後はアジア全体の連結性の強化に向けて包括的な展望が必要だとの認識を示しました。

また、ミレニアム開発目標(MDGs)の達成期限である2015年以降の開発目標(「ポスト2015年開発アジェンダ」)に関して、アクタール事務局長は、アジア太平洋地域では、貧困削減、格差是正、防災、天然資源管理、地域統合などを優先課題と認識しているとし、JICAと共に「ポスト2015年開発アジェンダ」に取り組んでいきたいと述べました。また、田中理事長から「ポスト2015年開発アジェンダ」に関するJICAの考え方を紹介したところ、アクタール事務局長から高い関心が示されました。

さらに、アクタール事務局長が、国連がODA以外の開発資金確保に向けてさまざまな取り組みを行っていることに触れたのに対し、田中理事長は民間セクターの巻き込みが重要であるとした上で、JICAの中小企業の海外展開支援について紹介しました。

最後にアクタール事務局長は、持続可能な開発に関し、JICAとこれまでのようなイベント共催に加え、共同事業の実施や知見の共有などを行っていきたいと、さらなる連携強化に積極的な姿勢を示しました。

(注)国連経済社会理事会の下部機構の五つの地域委員会の一つ。アジア太平洋地域の経済社会開発にかかわる地域協力の促進が主な任務。現在62ヵ国・地域が参加。