アラブ通貨基金と業務協力協定を締結

−アラブ諸国における財政・金融分野の協力促進へ−

2014年8月14日

JICAは、8月14日、「アラブ通貨基金(Arab Monetary Fund:AMF)」(注)と業務協力協定(MOU)を締結しました。署名は、日本アラブ協会理事の小池百合子衆議院議員臨席の下、アブドゥラマン・アル・ハミディ アラブ通貨基金総裁と、田中明彦JICA理事長との間で行われました。

右から、小池衆議院議員・日本アラブ協会理事、アル・ハミディ総裁、田中理事長

同基金は、アラブ諸国の22ヵ国を加盟国にもち、1976年に設立。本部はアブダビに置いています。AMFは、アラブ経済統合や、アラブ経済の発展促進、アラブ諸国間の通商促進のための基盤整備、加盟国への短期・中期融資のほか、政策助言や人材育成・制度構築支援等を行っています。

本MOUの締結によって、今後、JICAとAMFは共同セミナーの開催等により、金融・財政・統計分野等に係るアラブ諸国との技術協力に向け、具体的な方策を検討していきます。財政・金融分野において、アラブ地域に幅広い経験を有する国際機関との協力は初の試みです。

署名式において、田中理事長は、「本MOUは、アラブ諸国の金融分野の能力開発を支援する具体的なプログラムを実現するための大変良い出発点になる」と期待を述べました。また、アラブ通貨基金のアブドゥラマン・アル・ハミディ総裁は「JICAのこれまでの知見とAMFのアラブ諸国におけるネットワーク、これまでの加盟国経済開発支援に係る経験を組み合わせることで、より有用な技術協力の達成に期待する」とコメントしています。

中東湾岸諸国と新たなパートナーシップが期待されるなか、財政・金融分野の情報交換や知見共有に向けた具体的な取り組みが期待されています。


(注)アラブ通貨基金(AMF)概要

総裁:アブドゥラマン・アル・ハミディ
所在地:アラブ首長国連邦 アブダビ
設立年:1976年
資本金:42億ドル
職員数:150人
加盟国:ヨルダン、アラブ首長国連邦、バーレーン、チュニジア 、アルジェリア 、ジブチ 、 サウジアラビア、スーダン 、シリア 、ソマリア 、イラク 、オマーン、パレスチナ 、カタール、クウェート、レバノン 、リビア 、エジプト 、モロッコ 、モーリタニア、イエメン 、コモロ