田中理事長がエジプトを訪問

2014年11月11日

マハラブ首相と田中理事長の会談

大エジプト博物館建設現場。右奥がピラミッド

ツタンカーメンの秘宝の修復について説明を受ける様子(保存修復センター)

カイロ大学小児科病院で日本からの供与器材について説明を受ける

田中明彦JICA理事長は11月8日から10日にかけて、理事長就任後初めてエジプトを訪問、マハラブ首相をはじめ同国要人との会談を行うとともに、大エジプト博物館建設事業をはじめとするJICA支援事業の視察を行いました。

田中理事長は、マハラブ首相、シュクリ外務大臣、デミヤン財務大臣、アル・アフワニ国際協力大臣と会談(9日)し、周辺国が不安定な状況にある中、エジプトは地域安定の核であり、JICAとして同国の安定および発展のための支援を着実に実施していくことを表明しました。また、2011年1月および2013年7月の政変後の経済成長の落ち込みからの回復や政変の一因となった雇用確保等の課題の解決に向け、運輸交通、エネルギー、産業人材育成といった分野での支援継続や、社会的弱者層の保護の観点から、保健医療、農業といった分野での取組みの重要性についてやりとりがありました。

エジプト到着直後(8日)には、円借款にて支援を行っている大エジプト博物館事業の建設現場や、同博物館に展示される予定の考古品の保存・修復作業の技術協力を行っている大エジプト博物館保存修復センターを訪れました。翌日に行われた田中理事長とアル・ダマディ考古大臣との会談では、同博物館にツタンカーメンのマスクをはじめ5万点以上の考古品が展示予定となる点に関して、世界水準の展示、運営の必要性やその準備方法について協議しました。

現在、JICAはエジプトの科学・技術教育の向上を図るため、エジプト日本科学技術大学(E-JUST)を支援しています。同大学の理事会議長であるアブルナガ氏、エルゴハリ学長との会談(8日)では、E-JUSTは日本の工学系トップ大学がその経験・知見を生かし、エジプトを拠点に中東アフリカ地域の産業人材育成を支援する両国友好の象徴的な事業であり、今後、着実かつ速やかに実施していく必要性を互いに確認しました。

田中理事長はそのほかにも第二太陽の船発掘・復元現場、カイロ大学小児科病院等のJICA支援事業の現場も視察しました。また、エジプトのメディアやカイロに拠点を置く日系メディアとも、今回の訪問の目的・成果を説明し、意見交換を行いました。