田中理事長がインドを訪問

2014年11月28日

国際会議「インド洋・太平洋地域の地域統合:展望と課題」にて議論する田中理事長

田中明彦JICA理事長は、11月23日から26日にかけて、インドのニューデリーを訪問し、鉄道大臣や前首相との会談を行ったほか、インド洋・太平洋(Indo-Pacific)地域の地域統合の展望と課題を議論する国際会議に出席しました。これらを通じて、2014年9月の日印首脳会談における共同声明を踏まえ、世界第2位の人口とアジア第3位の経済規模を有し、わが国ODAの重要なパートナー国であるインドとの関係強化を進めました。

田中理事長は、26日に、スレッシュ・プラブー鉄道大臣およびマンモハン・シン前首相とそれぞれ会談を行いました。

プラブー鉄道大臣との会談では、田中理事長より、現在実施中である、ムンバイ-アーメダバード間高速鉄道計画の実行可能性調査(F/S調査)を確実に進めていくこと、また、わが国新幹線システムをインドが導入することになった場合には、日本政府の方針の通り、資金面、技術面、運用面での支援を提供する用意があることを述べました。プラブー鉄道大臣からは、高速鉄道に関して日本政府の方針を歓迎し、特別なタスクフォースを設立して日本側と具体的な協議を進めていきたいとの意向が示されました。

また、シン前首相との会談では、シン前首相から、長年にわたる日本からの支援に対する謝意が表明され、また日本との友好・協力関係は与野党を超えたインドの総意であるとの見解が述べられました。これに対し田中理事長からは、JICAとして、インドの社会・経済開発に向けたさまざまな取り組みを、インドの人たちと共に引き続き行っていく所存であると表明しました。

今回のインド滞在中、田中理事長は、インドの著名なシンクタンクであるObserver Research Foundation 主催の国際会議「インド洋・太平洋地域の地域統合:展望と課題」に参加し、全6セッションのうち2セッションで議長およびパネリストを務めました。

同会議では、田中理事長から、インド洋・太平洋地域における共通の課題として、1)国内、国境、海上をつなぐ回廊形成のためのインフラ整備、2)インド洋・太平洋地域内および周辺地域の安定・平和構築、3)自然災害への対応の3点に係る重要性を指摘し、同課題に対するJICAの取り組みを説明しました。これに対して、多くの参加者からJICAの取り組みを評価する声がありました。