田中理事長がルワンダを訪問

−地域経済の活性化に向けて支援の継続を表明−

2015年1月13日

田中明彦JICA理事長は、1月8日から10日にかけて理事長就任後初めてルワンダを訪問し、カガメ大統領をはじめ同国の要人と会談するとともに、「ルスモ国際橋および国境手続円滑化施設整備計画」の完工式に出席しました。また、ルワンダにおける他のJICA事業の視察等を行いました。

カガメ大統領(右)と握手を交わす田中理事長

田中理事長は、2013年6月の第5回アフリカ開発会議(TICAD V)以来二度目になるカガメ大統領との会談で、経済発展が著しく自然も美しい同国を訪問できて光栄であることをまず伝えました。そのうえで、ルワンダがケニア・モンバサ港からの東部アフリカにおける「北部回廊」とタンザニア・ダルエスサラーム港からの「中央回廊」の結節点に位置するという地理的重要性を指摘し、東アフリカ地域の統合を視野に入れた経済基盤(インフラ)の強化や技術人材の育成に対する支援を継続していくことを述べました。この点について大統領からは感謝の意が表されるとともに、特にインフラ整備を通じた域内連結性の強化・地域統合について大きな期待をもっていること、民間投資も促進しつつ、日本・ルワンダ両国間の良好な関係を引き続き発展させ共働していきたいことが述べられました。

このほか、ガテテ財務・経済計画大臣、ムシキワボ外務・協力大臣、ンセンギユンバ技術教育・職業訓練担当大臣ら同国の要人と会談し、JICAの協力について意見交換を行いました。

10日には、日本の無償資金協力「ルスモ国際橋及び国境手続円滑化施設整備計画」の完工式に参加しました。本事業は、タンザニアとの国境に位置する老朽化したルスモ国際橋の架け替え、および国境手続き円滑化のための施設建設を行い、ルワンダを含む東アフリカ地域にとって重要な交通ルートである「中央回廊」の輸送コスト低減、同地域全体の貿易・投資の拡大を意図するものです。完工式には、ルワンダのムソニ・インフラストラクチャー大臣、タンザニアのモンゲラ・カゲラ州知事、小川駐ルワンダ日本大使ら3ヵ国の要人を含む約400名が列席しました。田中理事長はスピーチで、本事業の完工は地域統合の観点から重要なもので、「中央回廊」と「北部回廊」の連結性強化を通じて地域全体の投資環境が改善されることへの期待を述べました。

ジェノサイド記念館敷地内の集団墓地で献花する田中理事長

これに先立つ9日には、首都キガリにあるジェノサイド(大虐殺)記念館を訪問しました。1994年に起きた同国のジェノサイドでは、およそ100日間で約100万の人命が失われました。その後まもなくルワンダへの支援を再開したJICAは、2005年に現地事務所を再設置、同国の復興と経済発展を支える支援を展開してきました。今年、事務所再開からちょうど10周年を迎えます。田中理事長は現地メディアを通じて同国民に対し、ジェノサイドの悲劇にも関わらず急速な復興・融和と経済成長を遂げつつある同国の様子と人々の努力に感銘を受けたこと、同国ひいては周辺地域の平和と安定のためJICAは引き続き経済基盤や人的資源を中心とした支援を続けていくことを述べました。