沖縄国際センター設立30周年記念式典を開催

〜県内外から約330名が集い30周年を祝賀〜

2015年4月21日

ご来賓や研修員等約330名が参加した記念式典

独立行政法人国際協力機構(JICA)沖縄国際センターは、開所から30周年を迎えた2015年4月17日に、同センターにおいて30周年記念式典を開催しました。式典には、浦埼唯昭副知事、センターの所在地である浦添市の松本哲治市長、沖縄県青年海外協力隊を支援する会から稲嶺惠一会長(元沖縄県知事)、一般社団法人沖縄県経営者協会の安里昌利会長を始め、沖縄県庁、県内自治体、大学等教育機関、経済団体、NGO等市民団体、海外技術研修受託先機関・組織など、沖縄国際センターが日頃より支援、協力を頂いている多くの県内関係機関の方々が出席しました。30年前のセンター設立時に尽力した県内外各界の方々およびJICA研修員等全体で約330名が参加し、盛大に30周年を祝いました。

挨拶を述べる田中理事長

田中明彦JICA理事長は、式典冒頭の挨拶において、30年に亘り沖縄国際センターに対し沖縄県民の方々から多くの支援を頂いたことに対して感謝の念を述べるとともに、センターの業務が研修員受入から始まり、その後ボランティア派遣、草の根技術協力、本邦中小企業海外展開支援等へ急速に拡大している経緯を紹介しました。また、これら業務の実施を通じて、沖縄国際センターが沖縄県の推進する「沖縄21世紀ビジョン基本計画」や翁長雄志知事が主導する「アジア経済戦略構想」にJICAとして一層貢献する所存であると述べました。

翁長知事のご祝辞を代読する浦崎副知事

続いて翁長知事の代理として列席した浦崎副知事より、知事の祝辞が代読されました。同祝辞では、知事自身の那覇市長時代にJICA草の根技術協力の一環でベトナムを訪問し、那覇市のゴミ削減の取り組みについて講演したことに触れつつ、JICAの取り組みが開発途上国の発展のみならず、国際交流の推進や沖縄県の産業振興、人材育成にも貢献していると述べられました。また、2013年3月に沖縄県とJICAが連携協定を締結したことを踏まえ、今後も両者の連携を一層推進し、沖縄21世紀ビジョン基本計画の実現を目指すと述べました。

1994年から沖縄県青年海外協力隊を支援する会の会長を務める稲嶺惠一会長(元沖縄県知事)からの祝辞では、「井戸の水を飲むときには井戸を掘った人のことを忘れるな」との中国の故事に触れ、センター創設の立役者であった鈴木善幸元総理大臣、稲嶺一郎元参議院議員、小澤大二元JICA理事(初代沖縄国際センター所長)について振り返り、30年間の関係者の努力の上にさらに今後の発展を期待すると述べられました。また、センターが所在する浦添市の松本市長、本邦企業海外展開支援等で連携を深めている沖縄県経営者協会安里会長からも、暖かい祝辞を頂きました。

沖縄県の皆さんの温かいおもてなしに謝意を述べるルワビダディ研修員

式典の最後には、JICA研修員代表として、沖縄で情報通信技術を学ぶルワンダ共和国のルワビダディさんより祝辞が述べられました。ルワビダディさんは、沖縄の「いちゃりばちょーでー」(沖縄方言で「一度出会えば皆兄弟」)の温かいおもてなしの心が、本国を離れて生活する研修員にとってかけがえのないものだと述べ、帰国後も沖縄での滞在は永遠に心に刻まれることになるだろう、と述べました。

式典に引き続き開催された懇親の場では、沖縄センター設立時および創設直後の活動を支えた儀間文彰氏(元立法院議員)および大田昌秀氏(元知事)、ならびに小澤大二初代沖縄センター所長(元JICA理事)より、設立当時の関係者の想いや当時の苦労等が紹介されました。また、JICA研修員による歌とダンスや沖縄国際大学学生によるエイサー演舞の披露を通じて、設立時から現在まで沖縄国際センターにおいて国際協力に関わってきた関係者が研修員と交流し、あらためて沖縄と世界をつなぐ同センターの役割について共有されました。

【画像】

写真左/研修員によるダンス 写真右/沖縄国際大学の学生によるエイサー演舞

翁長知事と会談する田中理事長

式典の前日、田中理事長は翁長知事と面会しました。知事は、30年前のセンター設立当時のことを「沖縄に宝物ができたと思った」と振り返りつつ、これまで沖縄センターが1万人を超える研修員を受け入れ、また、累計約500人もの沖縄出身ボランティアへの支援を行う等、アジアの架け橋となる人材育成に貢献してきたことに対して、謝意を述べました。また、アジアのダイナミズムを取り込みながら沖縄の発展を目指すアジア経済戦略構想の実現のためにも、JICAとの連携を一層深めていきたいと述べました。

30周年記念式典は、沖縄国際センターが30年間にわたり多くの方々に支えられていること、そして沖縄の経験が世界に羽ばたいていることを再認識するとともに、同センターが今後も沖縄と世界をつなぐ役割を果たしていくべき、という関係者の皆様から寄せられた期待と使命を再確認する機会となりました。

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