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- JICAと世銀が自然災害リスクへの一層の協力など、多方面での連携強化に合意 −世界銀行と第2回ハイレベル対話を実施−
−世界銀行と第2回ハイレベル対話を実施−
2015年7月26〜28日の3日間、世界銀行本部(於米国ワシントンDC)において、国際協力機構(JICA)と世界銀行グループの間で、両機関のトップが参加する第2回目のハイレベル対話が開催されました。
全体セッションの様子 【写真提供】世界銀行
1日目の全体セッションには、JICAからは田中明彦理事長他、世界銀行グループからはジム・ヨン・キム総裁他が参加し、昨年7月の第1回ハイレベル対話からの具体的連携の進捗を確認するとともに、4地域・分野(東南アジア・大洋州、南アジア、アフリカ、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC(注1))における今後の連携の方向性について活発に議論を行いました。2日目は、参加者は4セッションに分かれ、前日の議論を踏まえてより詳細な協議を実施しました。
一連の協議の結果、フィリピンの災害リスク・ファイナンスの連携を踏まえて防災分野の連携をより一層強化すること、ネパール震災後の住宅復興事業をできるだけ早期かつ協調して実施すること、2016年に開催予定の第6回アフリカ開発会議(TICADVI)を念頭にエネルギー、地域交通インフラの連結、農業、UHC等の分野において連携を促進していくことに合意しました。
キム世界銀行総裁(左)と田中理事長
【写真提供】世界銀行
協議には、世界銀行グループからは、キム総裁のほか、カイル・ピーターズ上級副総裁(オペレーション担当)、シリル・ミュラー副総裁(国際関係及び欧州・中央アジア担当)、マクタール・ディオップ副総裁(アフリカ担当)、アネット・ディクソン副総裁(南アジア担当)、キース・ハンセン副総裁(人間開発担当)、ティム・エバンス保健・栄養・人口問題担当上級局長ほか多数が参加しました。JICAからは、田中理事長のほか、小寺清理事、加藤宏理事、柳沢香枝理事を始め約20名の職員が参加しました。
3日目、田中理事長は、世界銀行の理事会メンバー向けのセミナーにて、JICAが取り組んできた災害から復興までのシームレスな支援について講演しました。講演では、今年3月の第3回国連防災世界会議(於仙台)にてその重要性が広く認識された「より良い復興(Build Back Better)(注2)」の考えに基づき、フィリピンやネパールでのシームレスな支援を実施してきたことを説明しました。また、田中理事長は、途上国における災害復興においては時間・手段・資金面の3種類の支援ギャップが存在している旨問題提起を行い、JICA、世界銀行、そして国際社会が協調することでいかにこれらのギャップを埋めることができるかについて各国の理事と議論を行いました。
両機関は、今後も様々なレベルで定期的に対話を行い、連携を強化していく考えです。
(注1)ユニバーサル・ヘルス・カバレッジとは、全ての人が必要な保健医療サービスを支払可能な費用で受けられる状態のこと。
(注2)より良い復興(Build Back Better)とは、過去の災害における教訓を踏まえ、法律の改正や防災の視点を含んだ復興事業等、将来の災害発生に備えた復興を行うこと。「仙台防災枠組2015−2030」の四つの優先行動のうちの一つ。これまでに我が国が復興後に行ってきた施策もこの考えに基づくものであり、同枠組の採択に向け、シームレスな支援と合わせ防災の重要な行動として従前より提唱してきたもの。
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