ウガンダ向け円借款契約の締結:首都カンパラ中心部の交通渋滞を緩和し、首都圏の物流を改善

2015年9月11日

署名後に握手を交わす田中明彦JICA理事長とマティア・カサイジャ財務計画経済開発大臣。後列は、左から、藤田順三駐ウガンダ共和国特命全権大使、ベティ・グレース・アケチ=オクロ駐日ウガンダ共和国特命全権大使、ヨウェリ・カグタ・ムセベニウガンダ大統領

国際協力機構(JICA)は、9月11日、ウガンダ共和国政府との間で「カンパラ立体交差建設・道路改良事業」を対象として199億8,900万円を限度とする円借款貸付契約に調印しました。

本事業は、首都カンパラ市中心部において、特に混雑の激しい主要交差点の立体交差化、交差点改良及び既存道路の拡幅を行い、市内の交通改善と都市交通の促進を図ることにより、大カンパラ都市圏における物流の改善と経済活性化に寄与することを目的としています。本件にかかる貸付資金は立体交差建設、交差点改良及び道路の拡幅等に係る土木工事及びコンサルティング・サービス(施工監理等)費用等に充当されます。 

東アフリカの内陸に位置するウガンダは、ケニアのモンバサ港、ルワンダ、コンゴ民主共和国東部、南スーダン等の周辺内陸国・地域をつなぐ北部回廊における中継地として、東アフリカ地域の物流における要衝となっています。北部回廊に隣接する首都カンパラ市は、約178万人(2013年)の人口を擁する同国の政治・経済の中心地です。近年、急速な人口増加及び経済成長に伴う交通量の増大により、主要交差点及び道路で深刻な渋滞が発生しており、同国の経済成長に影響を及ぼしかねない状況となっています。

ウガンダ政府は2015年6月に策定された「国家開発計画FY2015/16 –2019/20(NDP II)」で、「戦略的インフラ増加及び質の向上、それによる競争力の向上」を掲げており、運輸交通インフラを重点分野のひとつとして位置づけています。JICAはこれまでも、無償資金協力「カンパラ市幹線道路改善計画(1998年度交換公文締結)」、「第二次カンパラ市幹線道路改善計画(2003年度交換公文締結)」、「カンパラ市内交通事情改善計画第一期(2005年度交換公文締結)、「カンパラ市内交通事情改善計画第二期(2006年度交換公文締結)」等、累次にわたる無償資金協力により、カンパラ市内の道路改修や交差点改良等を行ってきました。加えて、2015年から、技術協力「カンパラ市交通流管理能力向上プロジェクト」により、交通渋滞改善に向けた交差点改良の基準設計策定や、信号機の維持管理に関する技術支援を行っています。JICAは、こうした経験もふまえ、今後も、同国の経済成長に向けた取り組みを効果的に支援する方針です。

(参考)

1.借款金額及び条件

案件名 借款金額
(百万円)
金利(%/年) 償還期間
(年)
据置期間
(年)
調達条件
本体 コンサルティング・サービス
カンパラ立体交差建設・道路改良事業 19,989 0.01 0.01 40 10 一般アンタイド

2.事業実施機関
ウガンダ国家道路公社(Uganda National Roads Authority)
住所:Plot 5, Lourdel Road, P O Box 28487, Kampala, UGANDA
TEL:+256-312-233100/+256-414-318000
FAX:+256-312-233100/+256-414-347616

3.今後の事業実施スケジュール(予定)
(1)事業の完成予定時期:2019年12月(施設供用開始時をもって事業完成)
(2)コンサルティング・サービス(施工監理等)にかかる招請状送付予定時期:未定
(3)本体工事に係る国際競争入札による最初の調達パッケージの入札公示予定時期:2016年2月