田中理事長が国連サミット関連会合にてJICAの貢献を表明:様々な世界の課題やアフリカの開発等について議論

2015年9月30日

田中明彦JICA理事長は、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」(※1)を採択する国連サミット(第70回国連総会)に併せて催される6つの会合に参加するため、2015年9月25日から28日に、米国ニューヨークを訪問しました。同国連サミットには世界から150か国以上のリーダーが集まり、9月25日には2030年までの新しい世界の開発の目標として「持続可能な開発目標(SDGs)」が採択されました。

「人間の安全保障」に基づく女性の参加を強調

9月25日、田中理事長は国連本部において、不平等と女性の能力強化について議論する会合に出席しました。同会合では、国内や国家間の不平等、特にジェンダーの不平等が深刻化しているとの認識から、社会・経済・政治のあらゆる側面で分野横断的な取組みの加速と、国・国際機関・民間・市民社会等の連携の重要性が強調されました。田中理事長はJICAが掲げている「人間の安全保障」が、「誰も取り残さない」とするSDGsの考え方からも妥当な理念であると述べると共に、JICAの経験から、開発への女性の参加を促すことが能力強化やリーダーシップの強化につながることを強調しました。

人道支援と開発援助の資金について統合的な対応の重要性を議論 

26日には、田中理事長は、人道支援と開発援助の資金に関する国連のサイドイベントに出席しました。同イベントでは、来年5月に開催される「世界人道サミット」の土台作りとして、紛争や暴力、災害等に対応するための資金について議論しました。人道危機は増大・長期化の傾向にあり貧困撲滅とも関連が深いこと、人道支援を開発援助と切り離さず統合的に対応すること、民間も含めあらゆる革新的な資金とその効率性・柔軟性の強化等が必要であるという意見が多く出ました。田中理事長は、人道分野と開発分野の協力機関が危機発生時から共に議論に参加することが重要である点、今年3月の第3回国連防災世界会議(仙台)で合意した「Build Back Better(より良い復興)」の考え方を、人道危機にも適用し、より良い社会の構築に努めるべきである点を強調しました。