jica 独立行政法人 国際協力機構 jica 独立行政法人 国際協力機構

JICA 国際協力賞授賞式(2024年11月8日)

2024.11.11

JICA 国際協力賞授賞式 理事長挨拶

国際協力機構(JICA)理事長の田中明彦です。授賞式の開催にあたり、ご挨拶申し上げます。

JICAでは、1975年以降、JICAの協力を通じて開発途上国の社会と経済の発展に貢献され、著しい功績を収めた個人・団体に対し、JICA理事長賞を表彰してきました。今年度から、表彰の名称をJICA国際協力賞に改め、外部委員の選考により受賞者を決定する、といった刷新を行いました。

選考の結果、今回は、JICAとの協力を通じて傑出した成果を上げた次の3個人・団体の方々が授賞対象となりました。

中南米都市・地域計画家協会の皆様

NGOスランガニ代表 馬場繁子(ばば・しげこ)様

通称「宮崎=バングラデシュ・モデル」と呼ばれる事業を推進された、国立大学法人宮崎大学、宮崎市、株式会社新興出版社啓林館、株式会社BJIT、株式会社教育情報サービス(KJS)、そしてノースサウス大学の皆様

ご受賞、誠におめでとうございます。

JICAは、「信頼で世界をつなぐ」というビジョンのもと、開発途上国・地域において、現地の人々に寄り添い、共に考え、汗をかくことで、現地の経済・社会の発展に大きく貢献しようと取り組んでいます。また、これによって人と人、国と国との「つながり」を強化し、国際社会の連帯感を培い、信頼を築くことを目指しています。

受賞者の皆様は、JICAの事業のパートナーとして、それぞれの現場で対等な立場で互いに学び合いながら、長年にわたり協力をしてこられました。そして、開発途上国と日本との信頼関係をより一層堅固にする上で、大きな役割を果たされました。今年は日本が政府開発援助(ODA)を開始して 70年目になります。受賞者の皆様のようなパートナーのご尽力により、JICA、そして日本の国際協力は世界で高く評価され、信頼されるに至っています。

また、受賞者の皆様は、市民社会、民間企業、アカデミア、地方自治体など多様なアクターとも有機的に協働しながら、困難な状況においても、JICAの協力を通じて得られた知識・技術を各国で革新的な手法で浸透させ、その成果を粘り強く拡大・発展されました。この中には、日本国内における開発途上国からの人々の研修や日本の地域活性化等に貢献された方々もいらっしゃいます。

受賞者の皆様が取り組んでこられた、都市における住環境の改善やコミュニティ再生、脆弱な環境にある子ども達の教育、若者の雇用創出や人材育成といった課題は、日本の国際協力の柱である「人間の安全保障」の根幹にかかわるものです。そして時には一国だけで解決することが難しいものです。開発途上国だけでなく日本社会にも共通するこれらの課題に対する皆様の先駆的な取組が、今後さらなる革新と、共に創るという共創を生み出し、持続可能でインクルーシブな社会の実現に大きく寄与していくことを確信しています。

さて、世界の現状に目を向けると、世界情勢は依然として混沌とした様相を呈しています。複数の地域で紛争が継続しています。また、気候変動はますます深刻化する一方、気候変動に由来しない大災害も起こるなど、世界各地で様々な危機が複合的に生じています。このような複合的危機を克服し、人々の人間の安全保障をまもるためには、開発協力がきわめて重要です。

JICAは、日本の知見や経験を学び各方面で活躍する多くの開発途上国の人々と協働しながら、開発途上国の課題を解決することに一層の力点を置いていきたいと考えています。

こうした協力を通じて日本とその国々との信頼関係を醸成し、日本及び国際社会に還元していくことが、JICAに求められている重要な役割です。国際社会の平和と繁栄のため、これからも様々なパートナーと協力して、日本ならではの役割を果たしていきたいと思います。

最後に、本日残念ながらご参加が叶わなかった受賞者の方もいらっしゃいますが、受賞者の皆様のこれまでのご尽力とご功績に改めて最大限の敬意と謝意を表するとともに、JICAの活動への引き続きのご理解とご支援をお願い申し上げ、私からのご挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。

\SNSでシェア!/

  • X (Twitter)
  • linkedIn
一覧ページへ