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国際協力70周年記念シンポジウム(2024年12月17日)

2024.12.18

国際協力70周年記念シンポジウム 冒頭挨拶

ただいまご紹介に預かりました、独立行政法人 国際協力機構JICA理事長の田中でございます。本日は、このように多くの皆様にご参加いただき、大変嬉しく思っております。開催に先立って、一言だけご挨拶申し上げます。

JICAはその前身の組織を含めますと、この70年間、資金協力や技術協力などを行うODAの実施機関として活動してまいりました。開発途上国の社会課題を解決し、「質の高い成長」、そして「人間の安全保障」の達成を後押しすることを目的に、日本の経験や技術を活かした協力を続けてまいりました。協力分野はインフラ整備、農業、保健医療、教育、防災、平和構築など多岐にわたり、いくつもの国で大きな成果をあげてきたと思います。こうした成果の背景には、相手国のオーナーシップを引き出し、人材育成を重視し、長期的に相手国と粘り強く事業に取り組むという、日本のODAの特徴があると考えております。

また、JICAでは、とりわけ「人と人とのつながり」を重視してまいりました。来年60周年を迎えるJICA海外協力隊をはじめ、JICAの事業に携わる様々な人々が現場に入り、途上国の人々に寄り添って、一緒に汗をかいてきました。このような「人と人とのつながり」の積み重ねが、国際社会における日本への信頼につながっていると感じております。

現在、世界はかつてない複合的な危機に直面し、「人間の安全保障」が脅かされています。気候変動、災害、紛争、感染症などは、国を問わず人々に影響を与えます。今こそ、国を超えた対策を講じるため、更なる共創と連帯が求められていると思います。

また、地方創生や多文化共生といった日本が直面する課題に対して、開発途上国で得た知見を環流し、解決に向けて取り組むことも重要だと考えております。JICAは海外に96、国内に15の拠点を備えています。これまで以上に海外と日本の人びとをつなぎながら、地方自治体、企業、研究機関、NGOの皆さんと協働し、世界や日本の課題解決に努めていきたいと考えております。

本シンポジウムを、過去70年間の歴史を振り返りながら、今後に向けた新しい国際協力のあり方を皆様と一緒に考える機会にしていきたいと思います。ご清聴ありがとうございました。

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