安全対策宣言

現代の世界は混迷の度を増しています。紛争や暴力的過激主義、貧困や格差、感染症や自然災害など、複雑で相互に関連する課題が国境を越えて地球上の多くの人々の命と尊厳を脅かしています。国際社会は2015年9月、「持続可能な開発目標(SDGs)」に合意しました。我が国が唱導した「人間の安全保障」の考え方が反映されたSDGsは、国際社会で我が国がグローバルプレーヤーとしてリーダーシップを発揮しながら取り組まなければならない課題であり、日本のODAを実施する開発協力機関であるJICAの責任は重大です。

その重責を果たすべく開発途上国において国際協力に取り組む関係者にとって、日々直面する交通事故や犯罪に加え、頻発するテロや紛争などのリスクを最小化し安全を確保できることは、事業に従事するための不可欠な前提です。そのためには、JICAが組織を挙げて安全対策に取り組むとともに、関係者の一人一人が危機管理意識を高くもち、安全対策を日々積み重ねることが何よりも重要です。

2016年7月にバングラデシュで発生した「ダッカ襲撃テロ事件」では、同じ志をもって国際協力に尽力されていた7人の大切な方々の尊い命が奪われました。このような痛ましい事態を二度と繰り返さぬよう、強い決意のもと、国際協力事業関係者の安全確保のために、以下の取り組みを推進することを宣言します。

1.危機管理意識を高め、脅威を未然に回避する(危ない時に危ない場所に近づかない)

国際協力事業関係者一人一人が危機管理意識を持てるよう、脅威情報を含む安全対策情報をタイムリーに提供することを通じて国際協力事業関係者の危機管理意識を高め、渡航措置や行動規範の周知徹底を通じて、脅威を未然に回避できるよう努めます。

2.ハード・ソフト両面の防護能力を強化する(脅威が迫ってきた場合に備える)

国際協力事業関係者が安心して活動を遂行できるよう、ハード・ソフト両面の防護措置や研修・訓練を通じて、国際協力事業関係者の防護能力強化を支援します。

3.危機発生時に迅速かつ的確に対応する(危ない場面に直面しても冷静に行動する)

国際協力事業をめぐりテロや紛争、凶悪犯罪等の危機が発生した際は、日本政府と緊密に連携して、国際協力事業関係者の安全を確保するために迅速かつ的確に対応します。

2017年11月1日
独立行政法人国際協力機構
理事長 北岡 伸一