導入の背景

1.総合科学技術会議における指摘

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ブータン「ヒマラヤにおける氷河湖決壊洪水(GLOF)に関する研究」プロジェクト〜ブータン北部での氷河湖調査。この日は予定外の積雪で馬が動けず、目的地までボートを曳くことになった。

平成19年4月、総合科学技術会議の有識者議員により、外交と科学技術を相互に連携させる「科学技術外交」の概念が提示されたことを契機として、同会議にて基本的な考え方についての議論が開始され、最終報告として「科学技術外交の強化に向けて」(平成20年5月19日)が取りまとめられました。ここでは、開発途上国のニーズと要請に基づいた共同研究の実施と大学・研究機関等の能力向上の必要性が明示されるなど、科学技術は人材育成・開発を促進する重要な手段として認識されています。

このような認識のもと、外務省及び文部科学省は連携して、科学技術外交の強化を図ることとし、我が国と開発途上国の研究機関が地球規模課題の解決に資する国際共同研究を通じ、開発途上国自らが課題を解決するための能力を強化する「地球規模課題に対応する科学技術協力」を実施することになりました。

総合科学技術会議とは:
平成13年1月の中央省庁再編に伴い、「重要政策に関する会議」の一つとして内閣府に設置された会議。内閣総理大臣のリーダーシップのもと、科学技術政策の推進のための司令塔として、我が国全体の科学技術を俯瞰し、総合的かつ基本的な政策の企画立案及び総合調整を行っています。なお、平成22年6月18日に閣議決定された「新成長戦略」においては、『政策推進体制の抜本的強化のため、総合科学技術会議を改組し、「科学・技術・イノベーション戦略本部(仮称)」を創設する』ことが述べられています。

2.新成長戦略における位置づけ

平成22年6月18日に閣議決定された「新成長戦略」においては、7つの戦略の一つとして「科学・技術・情報通信立国戦略」が取り上げられるとともに、当該戦略が成長を支えるプラットフォームとして位置づけられ、「地球温暖化、感染症対策、防災などの人類共通の課題を抱える中、未来に向けて世界の繁栄を切り開くのは科学・技術である」旨記載されています。併せて、「国際共同研究の推進や途上国への科学・技術協力など、科学・技術外交を推進する」ことも明確に示されています。